らだお視点
この学校には、おかしなルールがあるんだ。
『放課後のチャイムがなっても校内にいる生徒には何をしても帰らせろ』ってな。
その状況を見て「面白くない」って校長が思ったらしくてな、この学校に『七不思議』を作って生徒の興味を引いた。
中には、放課後を過ぎてからじゃないと見れない物もあってな…。そこで、あのルールが引っかかってくるんだ…。
何度注意しても何をしても帰らない生徒に嫌気がさしてる先生もチラホラいてな…。みんな精神的に参ってたんだよ。
そこで、宿直って事で俺がその役目を引き受けることになった。俺はそんなに苦痛じゃなかったしな。
でも、その役目を引き受けて後悔したよ…。
校長が基本、指示を出すんだけど、段々指示される内容が過激になってくんだよ…。
お前らが見た血だらけの服と鎌は校長からの指示なんだ…。怖がらせて帰らせるためにな…。
例えば、給料減らすとか自分に関わる事だったら即刻反発してたんだけど、お前たちが関わってきたから従う他なかったんだ…。
___6年1組のメンバーをバラバラにする
7月に入って、それを知ることになるんだ。
ロボロがある日、ぱったり来なくなっただろ?あれは仕組まれた犠牲だったんだよ…。
だけど、1番なりにくいはずのロボロが犠牲になった…。俺はおかしいと思ったんだ…。
絶対誰かに操作されてるって思ったんだ。
俺は七不思議を作った当事者(校長)が怪しいってなって聞きに行ったんだ…。
校長は、「やっと意味がわかったか?」って言ったんだよ。
そこで俺は全てを悟ったんだ。
もしも指示を無視すれば6年1組の誰かが姿を消すってな…。非現実的だったけど、ロボロがいなくなった事を考えると…本当にみんながバラバラになるって思ってな…。
だから、校長の言うことを聞く他なかった…。そんな時、お前らがロボロを助けに来たよな…。鬼になって封印されたのには、お前らがバラバラにならないで欲しかったからなんだ…。俺のせいでお前らが悲しむくらいなら俺は自らを犠牲にするさ…。
今回も俺が人間に戻ったらまた誰かが消えるかもしれない…。そうなるなら俺は人間に戻りたくないんだ…。
だから、お前らからも逃げてたし、見つからないように隠れてたんだ。
俺がワープを発動しようとした瞬間、何かに手を掴まれた…
あいつらが駆け寄ってくる…。
俺は鬼なのに…なんでそんなに…。
俺は生徒をこんなにも苦しめていたのか…。
教師失格だ…。
パリンッ…
俺は持っている全ての力を込めてこいつらの持っている水晶を破壊した…。完全に壊すにはそのくらい力を入れないと壊れない…。
こいつらの思いをねじ伏せるようで悪いが、俺はこいつらが大切で大好きだ…!だからこそ、平和に生きて欲しい…!
こいつらは涙を浮かべていた…。
どうして…?何で俺なんかに涙が流せる…?
猛スピードで走ってくる奴がいた…。
あれは…
____ぺいんと…?
ーーキリトリーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。