新たな決意と希望を抱いて…
偶像の中から…
桃山視点
以前、俺が人間の時に閉じ込められた時、覗いていた場所。
偶像の目に当たる部分。
神社に飾られてるときは、
代わり映えのない景色。
つまらない場所だった。
だけど…今目の前に広がるのは…
希はでもどこか寂しそう。
それを取り繕うかのような声ぶり。
でもいつか、笑って、
『こんなことあったなぁ』って言えるほどまでなってくれるといいな。
『俺たちを忘れないで』
どうか…届きますように…。
これ以降も…
声も鮮明に聞こえるようになって…
偶像の目を通してたくさんのものを見せてもらった。
俺らが退屈しないようにな。
基本は豚平が持ち歩いてるみたいで。
部屋にいる時も基本話しかけてくれる。
優しいやつだな、ほんとに。
あの子達が見せてくれた世界で、
夢夜とずっと話していられる。
あそこはこうだった。
あの時とこんなに変わってる。
お酒があったらもうちょっと話せてるw
電気が消される。
偶像の先の世界は真っ暗になった。
俺らもそろそろ寝ないとなぁ…w
でも寝たくないw
というかこの世界では、
寝るっていう概念がない気がする。
ずっとふわふわしてるし、
それこそ前も後ろもわかんない。
寝れてるか、立ってるかもよくわからん。
まぁ、そんなこと気にならないくらい、
今が楽しいから別にどうでもいいや。
というか夢夜寝たしw
俺が黙るとすぐ寝るw
俺らが消えても…
猿瀬視点
何やってんだ俺の子孫はw
でも…らだお先生は随分といい人らしいな。
豚平は元々まっすぐな子だしな。
これは将来安泰かな?w
でも、すっごい真面目に話してる。
『こうした方がいい』
『ああした方がいい』
豚平とからだお先生だけじゃなくて、
呂戌太、孝行、大、希もここから見える。
あと声的にもう1人いるけど、
ここから見えないんだよね。
多分、呂戌太のお兄さんかと…。
そして全員が意見を出してる。
他5人には関係のないことなのに…。
豚平に聞きたいな。
なんでこんなに全員で全力になれるか。
叶うなら…俺の質問に答えて欲しいな。
バカやりながらも、
ちゃんと話してちゃんと考えてる。
全ては俺らの願いを叶えるためだけに。
もしかしたら個人的な想いを持ってるやつもいるんだろうけど、それでも原点は俺たちだから。
無理はしないで、
でも全力で戦ってほしい。
どれだけ期待してもお願いしても…
この子達なら叶えてくれそう。
ただの子供なのにそう思う。
根拠なんてない、勘だよただの。
決意の重さ
桃山先生視点
しかし、偶像の目を通して見た世界は、
『鬼ごっこ』を繰り広げる生徒たち。
しかもめっちゃ楽しそうw
さすが呂戌太のお兄さん。
面白さは折り紙付きだなw
身体も心もちゃんと成長してる。
それが行動とか目に見えるほど著しく。
きっとこの子達の成長は止まることを知らないんだろうな。
学ランを着てるからとか、
そういう要素だけじゃないからな。
そしてまたいつも通りのこの光景。
きっと数えられないほど、
これからも見ていくんだろうな。
パンッパンッ…
俺らの方を向いて、手を合わせる7人。
その顔は一生懸命で…
みんながみんな、心の中で必死になって喋ってるような気がした。
その声は聞こえないけど…
大体何言いたいかわかるから。
そして、真横を見ると、
一緒になってこれまでの光景を見ていた夢夜がこの子達の鏡のように手を合わせていた。
その行動に意味があるかわからない。
でも、この行為が、
少しでもこの子達に感謝を伝えられる機会になるのなら…。
パンッ‼︎
音を鳴らして手を合わせる。
それの方が元気なこの子達らしいw
過ごす世界は違くても、
一緒に笑い合うことはできる。
俺たちの限られた時間で…
そのできることは考え終わるのかな。
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『約束』『記憶』『愛情』『夢』、
『想い』『思い出』『未来』そして…
2人の『願い』は…
いつまでもいつまでも心に生き続ける。
その命尽きても…永遠に。
==呪われた鬼とその後の世界==
*・゜゚・*:.。..。.:*・E N D・*:.。. .。.:*・゜゚・*
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。