憧れの人、将来を見据えて
ロボロ視点
夕方ごろ、猿山家と桃瀬家の話を切り上げて、兄さんの奢りでご飯を食べにいくことになった。
場所は変わってお店にて、
ゾムは相変わらずの注文量。
ぺいんと兄さんはびっくりしてて、
らだお先生は『あぁ〜』みたいな顔して、
俺らは絶望の顔してたと思うw
でも、どこか楽しそうなみんな。
ゾムは永遠と食べて食べさせてるけど…
みんなと過ごす時間が1番やな。
こうやって先生と生徒が卒業してからもずっと関わっている。
理由は楽しいから、面白いから、
笑顔でいられるから。
俺や兄さん、あとシッマとトントンは特に親に悩まされてるところがある。
逃げ場なんてなかった。
だけど、
救いあげてくれたのは『らだお先生』
明るい未来があるのを教えてくれたのは
『桃山先生と猿瀬先生』
笑顔を届けてくれたのはみんな。
笑顔を教えてくれたのはみんな。
ジュースとビールを片手みんな笑ってる。
みんなの笑顔が俺は好きや。
こうやって賑やかに…騒いで…
本気で笑ってられるのも…
みんなのおかげなんや…!
今日連れてきてくれた呪いの人形は、
当たり前だけど何も言わない。
トントンと割りかし真面目な話してたのにw
らだお先生はダル絡みしてくるし…
兄さんは抱きついてくるし…
というかこの人たちめっちゃ飲んでない?w
顔赤いし…。
その後からは…
早かったなぁ…。
まず、トントンのお得意話術でなんなくスマホのロックを解除して、
お家にいるであろう奥さんに連絡(電話)をいれた。
子供ができる限界はここまでやんなw
あ、でも…
食べ過ぎつぶれてるシッマ以外はお水飲ませたりなんやかんや色々と介抱してたなぁw
酔い潰れてる先生と兄さん。
珍しいもんみれたなあw
ちなみに、そこからは流れ解散。
らだお先生は嫁さんに回収されて…
兄さんは水飲ませて落ち着かせてからみんなで一緒に帰った。
兄さんの全奢りだから、
俺が勝手に支払いしちゃったぜw
ゾムのせいで金額はえぐかったけどなw
久しぶりに飲むからって、
飲み過ぎなんよ、本当にw
20代なことを良いことに…
俺が親ならめっちゃ怒るで?w
おやすみ〜、言ってるけど実は結構いい時間なんよね。時計を見れば20:00。
切り上げて良かった気がする。
ほんまにな…。
お水を飲んで復活した兄さんは、
さっきとは別人のように動いていて、
家のことやったり、らだお先生に電話かけてたり…また忙しそうにしてた。
そんな光景を横目に、
俺はとあることをしていた。
便箋とペンを持って、
とある人に手紙を書く。
書く相手は3人。
らだお先生と…今は渡せない2人に…
まだ兄さんは電話中。
でもまた明日会うらしいな。
なら都合がええ。
この手紙持っていってもらお。
俺はさっきトントンと話した。
将来のこと、やりたいことを…
文集を書いてた時より、
気持ちの整理はできた。
俺が将来どんな人間になりたいか。
その決意を憧れた人達に知って欲しいから…
俺は一生懸命ペンを走らせて
想いを綴っていく。
不思議そうに手紙をみつめる兄さん。
直接言えばいいのに…みたいな顔してる。
直接言えたら苦労しないんよ、兄さんw
目をまん丸にする兄さん。
普通に持ってたから貸してくれたけど、
一緒についていく!の一点張りだった。
俺は外に出て、
火傷しないように専用の手袋をつけて、
とあるものを燃やした。
俺は笑えてたかな。
その名前を言った時…
手紙寺っていう、
死者に手紙が届くと言われるお寺。
そこは手紙を燃やして、
天国へ手紙を届ける。
桃山先生と猿瀬先生は亡くなったんやなくて、偶像の中で生きてる。
せやけど、
大正時代を苦しみもがきながら生きた2人は…もうずっと前に亡くなっている。
本当はもっと丁寧にやらなきゃあかんのやけど、許して。これが限界なんよ。
でもそれは…2度と叶わないから…。
だからせめて…
亡くなった2人にも、
声を聞けなくなった2人にも、
高く高く昇る煙と一緒に…
どうか俺の『決意』と『想い』が、
届きますように…。
ーーロボロ視点ENDーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。