カップ麺を食べ終わると、さっきの私が寝ていた部屋に戻ってソファに座らされた。
彼は奥から、ダウンコートと私の鞄を持ってきた。
彼は別の椅子に掛けてあった、ダウンジャケットのポケットの中から携帯を取り出した。
そうだった…。
私ったら自分の血を見て倒れたんだった…。
今更ながら、どうやってここの部屋まで運ばれたのだろうかと想像したら恥ずかしくなってきた。
私は大きい荷物かよ…。
そう言ってニッコリ微笑まれた。
彼の笑顔が眩しくて、思わず目を逸らして携帯を確認する。
ユミから何回も着信が入ってた。
ガイドブックの付箋の箇所を開けて、ココだと彼に分かる様に指差した。
話してる途中でユミから電話がかかってきた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。