第25話

憤怒と焦燥 のあside
139
2019/10/19 10:29
やばい、やばいやばいやばい!

私は1人、唇を血が吹き出そうなくらい噛み締める。

乗り気でないとはいえ、幹部の皆が姫候補とやらに会う計画をたててしまった。

そのきっかけは、昨日のランチタイム中にやって来た少年。あの少年は、前の第一校舎屋上でも見た。

しかも、その時彼が「露草センパイ」と言っていたのは、あの意味不明女で、ランチタイム中に会ってほしいと言っていた姫候補のことも、「露草センパイ」と言っていた。


そこから、あの女がREDのメンバーを使って姫の座を奪おうとしてることは違いないだろう。

きっと純真無垢であろう彼は、脅されたか唆されたかで無理矢理言わされたに違いない。
逆らえなかったんだ、きっと。

そんなことを考えながら時計を見上げた。

今頃、皆とあの女が第三校舎屋上で会っている頃だろう。

もし、万が一、あの女が媚びて、皆が騙されたとしたら。


そして、姫の座を奪われたら。
有栖川 のあ(アリスガワ ノア)
有栖川 のあ(アリスガワ ノア)
………何とかしなきゃ
そんなこと考えたくもない。

親指の爪をギリッ、と噛む。

あんな女に渡したくない。
せっかく、掴み取ったのに。


それから、私は考える。

どうすればこの地位を守れるか。

いろいろな方法が頭で浮かんでは却下され、また浮かんでは却下されていく。
有栖川 のあ(アリスガワ ノア)
有栖川 のあ(アリスガワ ノア)
…あ、そうだぁ……
そんなとき、パッとひとつの案が思い浮かぶ。

危険は伴うけど、これなら…

希望を見出し、詳細を考えつくだけ考える。
有栖川 のあ(アリスガワ ノア)
有栖川 のあ(アリスガワ ノア)
最初が危険だけど…これさえ上手く行けば…
あの女の入る隙はなくなる。



────・・・結局、私はその計画を実行することを決意した。

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