でも悟は私なんかの力じゃビクともしない。
このまま流されるのだろうか。
恋人らしいことをするのなんて嬉しいことだと思ってた。
だって海智としたときは流されるままだったから。
流されるままでも別に良かったから。
なのに今、この瞬間私は抵抗してしまった。
なんでだろう。
悟のことは好きなはずだ。好きに違いは無い。
なのに何故か今したいとは思えないのだ。
_______________そうじゃない。
悟とはもっと互いのことを知った上で
今以上に進みたいからだ。私の我儘。
今のままじゃあ前みたい……海智の時みたいになりそうで怖い。
やる事やってポイされるのが私は1番恐れてるのかもしれない。
悟にはいつまでも好きでいて欲しいんだ。
私のただの欲求。
悟は何となく私の表情を伺って、
と普通そうに言った。
ちっとも傷ついた様子も怒った様子もない。
普通そうに悟は辞めると言ってくれた。
悟がこんなんだから、
私はまた悟の優しさに甘えてしまう。
きっといつまでも成長してないのは私の方だ。
あ、はい。
企みはあったのね。ぶん殴るよ。
とおちゃらけて言う悟に拳骨を浴びせた。
_____________
あなたにおちゃらけることで
五条はあなたが普段の思考に戻させていた。
うん、そうしよう。()
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。