咳払いをして「おはよう」と返す。
なんで会っちゃうかなぁぁぁぁぁあ!!!
嫌なんだが、元彼が前にいる中授業受けるとか。
気まずいにも程って物があるでしょ。
それを通り越したからな。
もちろんこの科目は私以外
悟や傑、硝子も取ってなかったから、
誰も救いの手を差し伸べてくれることは無かった。
いや、聞くなよ。なんで聞くんだ阿呆。
てか浮気したお前はどうなんだよと聞きたい。
あー、でもそれで上手くいってるよとか
言われたらムカつくな。
ほんとこの人ズレてる。
前の私はこいつのこういう所が好きだったのだろう。
今は知らん。
ふーん、と海智が言って前を向いた。
そして何を勘違いしたのか、
と前を向きながら話してきたのだ。
海智にそう言って怒る。
なんでそうしたほうがいいと思ったんだよ。
そうつけ加えてそっぽを向く。
流石に言い過ぎたかなと咄嗟に考えたが、
もう他人だしいいかと思って黙る。
なんでまたこいつに振り回されないといけないのか。
本当に意味が分からない。
それに話しかけられても直ぐに怒らないあたり、
やっぱり私はまだ海智の事を嫌いでは無いのだろうか。
そう思うと、なんだか悟に申し訳なくなってきた。