【第7話】
ここではあなたがお財布を盗んでいます。
倫太郎も驚かず「おかえり。」と声をかけています。
なぜ驚かないのか、なぜ笑っていられるのか。
それは、人殺しとダメ人間だからです。
今から死にゆく2人だからです。
後戻り出来ない2人に怖いものはありません。
【第8話】
俺達は、盗ったお金で電車に乗り、
ここでは「俺達」と書いていますが、これは倫太郎がそう思ってしまっているだけです。
実際お金を盗ったのはあなただけです。
それはなぜか、この時もう既にあなたは自分1人で死ぬ事を決意しています。
未来がある人間にこれ以上罪を重ねて欲しくないという気持ちであなただけが犯罪を犯しています。
あなた「いつか夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら、汚くなった"私"も見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?」
本家の歌詞では、『僕たちも』と書かれていますが、この物語の場合、汚くなったのはあなたのみなので「"私"」と言っています。
倫太郎はそれに気づかずに「さぁ。でも現実を見てよ。シアワセの四文字なんてあった?」と言ってしまいます。
ここで気づいて、今度こそ止めれていたらあなたも死なずに、2人で生きていける道もあったのかも知れませんね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。