第19話

守る
1,779
2018/10/01 14:56
8/4

今日は亜嵐さんの24歳の誕生日



今リハが終わって、

皆がステージに集まってくれてる




急いでケーキを取って


ゆっくりと皆さんの後ろにケーキを運ぶ
最初に気付いたのは佐野さんで
玲於
玲於
はーーーい!
亜嵐くん。
後ろ向いてー
亜嵐さんが

ん?
って後ろを振り向くと
亜嵐
亜嵐
えっ!なんすかこれ!
貴方
貴方
お誕生日おめでとうございます!
亜嵐
亜嵐
えー!すごっ!
ありがとうございます!
龍友
龍友
よし、歌うで、
涼太
涼太
ハッピーバースデートゥーユー
ハッピーバースデートゥーユー
龍友
龍友
ハッピーバースデーディア
亜嵐くーん
龍友
龍友
ハッピーバースデートゥーユー
隼
おめでとうございまぁぁぁす!
亜嵐
亜嵐
ありがとうございます!
龍友
龍友
はい、意気込み
亜嵐
亜嵐
えっとー、そうですね
今はツアーの最中なんですけど
これからもたくさん皆さんに恩返しが出来るように頑張ります!
ありがとうございます!
裕太
裕太
うぇーい、おめでとー!



サプライズは成功して

解散する時

亜嵐
亜嵐
あなたさん!
ありがとうございますほんとに笑
貴方
貴方
いえいえ、笑
喜んでいただけて良かったです笑
亜嵐
亜嵐
あの、、今日
リキ
あなたー!



亜嵐さんの声に被さるように
リキさんが話しかけてきて
貴方
貴方
あっ、はい!
リキ
行こ!
貴方
貴方
あ、うん、
リキ
あ、亜嵐さん!
お誕生日おめでとうございます
亜嵐
亜嵐
あ、ありがとうございます
リキ
では、失礼します
あなた、行こ
貴方
貴方
え、あ、うん
では失礼します!




名残惜しいけど
その場を立ち去る
リキ
今日、
良いところ予約した!
貴方
貴方
あ、そうなんだ
リキ
ほら、ここ!
貴方
貴方
おぉ、でかいね、、笑



思わず背筋が伸びるようなお店
リキ
大丈夫!笑
入ろ!


リキさんも
行動がスマートだったけど
亜嵐さんとは違うように見えて


やっぱ亜嵐さんって凄いな。
って改めて感動して

亜嵐さんに対する感情が
そう思わせてるのかもしれないけど……


個室に入って

椅子に座ると
リキ
カクテルで良いよね!!
俺のおすすめある!
貴方
貴方
え、あぁ、うん、、
強制的にカクテルになって
少し戸惑ってたら


”りんごジュース好きそうです”
って亜嵐さんの声が頭の中に響いて



りんごジュース。
って言いそうになったけど


今更言えなくて
リキ
あ、きたきた。
これ!美味しいよ!



飲んでみると

大人。って感じの味がして


あの時のレモンサワーよりも
もっともっとすごい…


急にお酒が回って
貴方
貴方
これ、お酒強い、、ね
リキ
お酒弱い?
貴方
貴方
うん、



まだ意識はあるけど

これ以上飲みたくなくて


次のお酒を飲まされないように
すごく酔っ払ってるふりをすると


急にリキさんが
真顔になる
リキ
ねぇ、あなた
貴方
貴方
ん?
リキ
こういう所に誘われて
二人で来る。っていうのは
どういう意味か分かるよね、?
貴方
貴方
え?なにが?
リキ
分かってない?
貴方
貴方
うん、



じゃあ教えてあげる

って言って



私の隣に座ってくる




そしたら

急にリキさんの指が私の髪に触れる
貴方
貴方
な、、、んです、か



すごい怖くて、鳥肌が立ってしょうがない
リキ
あなただって
分かってて来たんでしょ、?
貴方
貴方
なにそれ、
ほんとに分かんない、、



気持ち悪さに酔いは一気に覚めて
リキ
そんなに分かんないなら、



その言葉の後、

一気にリキさんの顔が近付いて


唇に何かが触れる、



触れたものが何か認識するまで時間は掛からなかった
貴方
貴方
っ…………

何するんですか……
リキ
こういう状況は
こんなことが起きる。なんて
大人なら分かるっしょ笑


………どうして、笑えるの



龍友さんが言ってた

”この状況危ないんですからね?”
の意味が今やっと分かって




どうしよう…最悪……




泣きそうになって

財布から急いで五千円札を出して
机の上に乱暴に置いてから
荷物を適当に取って
貴方
貴方
さようなら、



体全部が震えてるのを感じて

お店を出た




〈亜嵐side〉


今は俺の誕生日会を居酒屋でしてる



本当はあなたさんも居るはずだったのに
リキさんと二人でご飯らしくて
誘えなかった



俺、今日誕生日なのに。
全然楽しくなくて、逆に落ち込んでて
隼
ほらもー、
亜嵐くん元気出して!


って隼から励まされた時だった





俺の携帯が振動する


おめでとう電話かな
って思いながら画面を見たら

”あなた”って表示されてて


皆に電話って伝えて
個室の外で電話に出る
亜嵐
亜嵐
もしもし、あなたさん?
貴方
貴方
あっ、、亜嵐さん、


あれ、なんかおかしい。

電話の向こうがやけに静かだし
あなたさんの声が少し震えてる
亜嵐
亜嵐
どうしたんですか?


大丈夫だろ。
って思いつつ聞いてみると
貴方
貴方
亜嵐、、さん、、

助けてくだ、、さい、


「助けてください」
ってしっかり聞こえたその言葉は
たしかに震えてて、


あなたさんが、泣いてる
亜嵐
亜嵐
、、今どこですか?
貴方
貴方
分からないです、、
ここらへん初めてで、、



リキってやつどこまで連れて行ったんだよ、、



心臓がバクバクして、
考える前に体が動いた
亜嵐
亜嵐
皆、ごめん。
俺用事っ!
メンさんありがと
龍友
龍友
えっ、どうしたん。
ちょっ!



メンバー皆に返事すらできないほど
俺の心には余裕が無くて
亜嵐
亜嵐
あなたさん、
貴方
貴方
はい、
亜嵐
亜嵐
周りに何が見えます??
貴方
貴方
……あっ、公園が、、



ここらへんで公園があるといえば、、



分かった、あそこだ。
亜嵐
亜嵐
あなたさん、すぐ行きます。
だから、どっかに隠れててください。


もしリキさんが
あとから追いかけてたらやばいし

貴方
貴方
ごめん、、なさい、
亜嵐
亜嵐
大丈夫です。

電話、繋げといてくださいよ


あなた、待ってて。


すぐ行くから。


守るのは、、俺だから



〈貴方side〉



ずっと電話を繋いでくれている亜嵐さん


電話の向こうからは
走ってる音と息の音



亜嵐
亜嵐
ちゃんと隠れてます??
貴方
貴方
あ、、はい、
亜嵐
亜嵐
良かった、、、あっ、



あっ、、

って声が電話の向こうからと
前の方から聞こえてきて


前を向くとそこには息が上がった亜嵐さんが居た
貴方
貴方
亜嵐さん、、
亜嵐
亜嵐
はぁ………はぁ………あなたさん



亜嵐さんを見たら安心しちゃって

また涙が溢れてくる
貴方
貴方
ごめんなさい………


誕生日なのに……
亜嵐
亜嵐
はぁ………良かった………

無事で……

そんな言葉の後

視界が真っ暗になって




あぁ、今亜嵐さんにハグされてるんだ。
って



ハグしてる時も
亜嵐さんは少し肩で息をしてて
貴方
貴方
ごめんなさい…
亜嵐
亜嵐
あなたさん、謝らないでください…

それよりもあなたさんが無事で良かった…
貴方
貴方
……ありがとうございます



体が離れて

見上げると汗がすごい亜嵐さん
貴方
貴方
亜嵐さん、、なんでそんな、、
亜嵐
亜嵐
あなたさん、俺、
あなたさんのこと守りますから。
貴方
貴方
え、?
亜嵐
亜嵐
誕生日とか、そんなの関係なくて。
俺は、いつでもあなたさんを守ります。
貴方
貴方
……でも
亜嵐
亜嵐
俺がそうしたいだけですから。



電話したらすぐに来てくれて
助けてくれて、安心させてくれて



もう………
私は亜嵐さんに溺れてしまう……



〈亜嵐side〉




そう、俺は守るだけ。

そばにいるのは龍友くん。




だからこれ以上何も求めちゃいけない。
亜嵐
亜嵐
もう、ホテルに帰りましょうか
貴方
貴方
はい…



ホテルに歩き出す俺達
貴方
貴方
それより、何でここがすぐに分かったんですか、?
亜嵐
亜嵐
結構何回か来てるので、、
それで大体ここらへんの界隈は分かるんです
貴方
貴方
そうなんですね、、


少し喋って静かになって

って帰り道はずっとそんな感じ



でも急にあなたさんが
貴方
貴方
………りんごジュース
亜嵐
亜嵐
え?
貴方
貴方
私やっぱり
りんごジュースが好きです。
変なカクテルより、
素朴なりんごジュースが好きなんです。
亜嵐
亜嵐
りんごジュース…
美味しいですよね



…………やっぱり変わってない


そうだよ、
あなたにはカクテルより
りんごジュースが似合ってる。


なんて言葉が言えるなら
俺はどれほど楽だろう。
貴方
貴方
亜嵐さん。

今日もしも亜嵐さんが助けに来てくれなかったら私絶対怖くて何も出来なかったです、、


本当にありがとうございます

って笑うあなたさんを見て

守るだけ。って立場でも
ずっとあなたさんはその笑顔を
俺に向けてくれるかな。


なんてことを考えて


まだ素直になれない自分と
心の中で戦ってた

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