そのまま空港から出てタクシーに乗る
亜嵐が運転手さんに
聞いたことがない場所の名前言ってて
ちょっと遠いけどごめんね
って言われて
大丈夫だよ
って返してからは
タクシーの中で楽しく喋って30分
運転手のおじさんとも仲良くなって、笑
またどこかで会えるといいね
なんて会話もして。
着いたのは本当に綺麗な海
夕日が海に反射して、
しかもこの時期。
すごく丁度良くて
砂浜に降りて貝殻を探したり
波ギリギリを歩いたり
楽しんでたら、もう夕日が沈みかかってきてて
夕日は赤くて
空は紫、ピンク、オレンジのグラデーション
景色に目を奪われてたら
急に首元に冷たい感触
見てみたら
まさかの同じネックレス
どうやら同じブランドだったみたいで
バッグから袋取り出して
亜嵐に渡す
偶然なのか必然なのか。
はたまた、運命。なんて言葉で表せば良いのか
私も亜嵐に付けて
そう言って笑った後、
夕日を見てたら
……空港で
”あなたが帰ってきたら伝えたいことがある”
ってやつかな?
私がそう言ったら
夕日に照らされた亜嵐が
私の目をしっかり見て話し始める
……忘れるわけないよ
…亜嵐も私と同じような気持ちだったんだ。
って分かっただけで泣きそうで
もうすぐで沈む夕日に照らされて
そう言う亜嵐
私ってこんなに涙もろかったっけ…
すぐに涙が溢れてきて
〈亜嵐side〉
あなたが泣きながらそう言ってくれて
俺も泣きそうになりながら抱きつく
そう言うと
体が離れて目が合うと
目と鼻が赤いあなた
そう言って優しくキスをする
夕日が沈む間際、
俺らの影が重なって
……あなた、おかえり
そして
ただいま_____。
END
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。