3時間目/体育
うちの学校の長距離走は、めんどくさい
アップで校庭大回り3週、からの……
大回り10周……!
しかも今日は季節外れでめっちゃ暑い
……あ、ちょっと冷たかったかな?私……
だって、足速いんだもん、おそ松君
それだけで黙るって……私の言い方悪かったのかな
褒めたつもりなのに……
ピーッ
先生がホイッスルを吹いたとたん、みんながスタートし始めた
私は走りながら、いろいろ考え事をした
なんでだろうな
3周目に入って、さすがに疲れてきた
なんか頭がぼぅっとしてる気が……
まあ、久しぶりに運動したからな……
ま、気のせいか
もうゴールしたおそ松君と目が合った
……おかしいな
すごい見てくる
ま、見られてるのは気のせいだと思うけど
……やっと、ゴールできた……
あれ
なんか、ふらふらする
おかしい
目の前が、だんだん真っ暗に……
周りの声が、だんだん……
あっ、倒れるかも
……あれ、気のせいかな
おそ松君が、私の名前呼んでくれた……?
バタンっ
そこから私は、記憶がない
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!