第30話

一松くんの小さな優しさ
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2019/04/07 03:13
※今回はちょっとコメディ気味です





一松side
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……おそ松兄さんが部屋にこもったせいで再びアイスを巡ったババ抜き大会が始まった
今度はチョロ松兄さんも参加
チョロ松
ねぇ、なんでおそ松兄さんいないの?
トド松
それは……うん
十四松
泣いてt
カラ松
じゅうしま~つ?ん~?
それ多分言っちゃダメなやつだぞ~?
十四松
分かった!
チョロ松
あ、そう
一松
チョロ松兄さん、おれの番だけど引いてもいい?
チョロ松
あ、ごめん一松
いいよ
絶対おれはアイスを買わない
買いたくない
絶っ対負けらんない
トド松
……一松兄さん?顔怖いよ?
一松
はっ
そうだ、早く引かないと
チョロ松
ふふふっ……
一松
えっ
おれがチョロ松兄さんの持っている真ん中のトランプを引こうと思ったら、急にチョロ松兄さんが笑いだした
てことは、これがジョーカーなのか……?
一松
むぅ……
チョロ松
ぐふっ……
一松
えっ
今度は右のトランプを引こうと思ったら、またチョロ松兄さんがニヤニヤし出した
一松
ちょ、ちょっとタイム
十四松
一松兄さん、どーしたの?
一松
なんでそんなにチョロ松兄さん笑ってんの?
トド松
それ、ボクも思ってた
チョロ松兄さんって顔に出やすいからてっきりジョーカーで笑ってんのかと思ってたけど……
カラ松
流石に2回も笑うっておかしくないか?
ジョーカーは1枚だけなのに……
チョロ松
え、そ、そんなに笑ってるかなぁ
ふふっ……
4人
ほらぁ!
トド松
なに?キモいよ?
なんかいい事でもあったの?
チョロ松
う、うん……///
十四松
どーしたのー!?
チョロ松
え~、そんなに気になるかなぁ……
一松
あ、別に無理には
チョロ松
仕方ないなー、話してあげるよ
一松
……
話したいだけじゃん
チョロ松
実はね……





.















4人
は!?
チョロ松兄さんから話を聞いたおれたちは固まった
だって
トド松
チョロ松兄さんがあなたちゃんの事抱きしめたぁぁ!?
チョロ松
もー、声が大きいなぁ……///
ま、事実なんだけどね
十四松
もうチョロ松兄さんあっち側の人間だね!
チョロ松
そーなんだよねー……///
いやー、ごめんね?この家で最初に彼女できるかもなぁ
チョロ松
あ、でも心配しないで
あなたちゃんと付き合ったとしてもちゃんとお前らの見本になるチョロ松でいるから!
カラ松
………
一松
………
トド松
………
チョロ松
あれ?固まっちゃった?
そっかー、僕に彼女が出来そうで不安なんだね
ダメだコイツ
自意識高すぎて周りが見えなくなってる
トド松
(あの……ボク達が固まってるのは)
カラ松
(おそ松が部屋にこもった原因が……)
一松
(チョロ松兄さんだからなんだけど…)
ここでおれ達3人は脳内会話を始めた
トド松
(まさかこんなに犯人が近くにいたとは……!)
カラ松
(どうする……どうする!?)
一松
(分かんねぇからこうして脳内会話してんだろうが!)
カラ松
(はぁ……そうだな)
トド松
(もう完っ然に周り見えてないし
自分に酔ってるし)
カラ松
(おそ松からしたらショックだっただろうな
好きな子と弟がこう……イチャついてるから)
十四松
ねー、トランプ続けないの?
チョロ松
あ、そうだったね
一松、いいよ~
一松
あ、う、うん……
こうしてババ抜き大会が再開した
















トド松
一抜けFOOOOO!!!
一松
あっ
十四松
あっはー!ぼくもあがり!
カラ松
フッ……悪いな
一松
マジかよ
残りはおれとチョロ松兄さん
でもチョロ松兄さんはずっとニヤけてるから逆にこっちが不利




一松
………これだぁぁっ!



そう叫んで右のトランプを引いたら





一松
………あっ


『JOKER』と、書いてあった
チョロ松
やった!
トド松
一松兄さんアイスよろしく~
十四松
オナシャス!
一松
はぁ……チッ
……最悪

_____________
一松
なんだよ………
コンビニで5人分のアイスを選び終わり、レジに並ぼうとした
けど
一松
………あっ
ふと、おそ松兄さんが大好きな種類のアイスを見つけた
アイスを食えるのはババ抜き大会の参加者だけだから、棄権したおそ松兄さんには買わなくてもいい
だけど
一松
……………
涙目だったよな、あいつ
辛かったんだろうな
きっと、抱きしめてたの見て「自分は邪魔者だ」とか自分自身を責めてたんだろうな
一松
ふっ、分かるよその気持ち
死にたくなるよな……
おれだったら死ぬけど
気がついたらおれは6人分のアイスを持ってレジに並んでた
一松
……まあ、これは優しいおれからのプレゼントってことで


財布が寂しくなったのは、まあ気にしない
しばらく金使うの我慢すっか
一松
……おれやっさしいな
ヒヒっ

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