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第5話

失恋ウエディング
211
2018/06/17 08:16
兄の結婚式の前日になった
私は1週間ずっと家に帰っていない。
兄からは連絡が1日10件も入ってくる。










『このまま明日行かなかったら後悔するぞ』
そう、私の心の中でこの言葉が消えない。
それでも、私はやっぱり好きな人が目の前で結婚するのを見てはいられない.....















あぁ、神様...どうかこのまま時間を止めてください。私はそう思いながら目を閉じた。







保育園生


私『お兄ちゃん!待ってよ〜!..ドンッ!』
他『いってぇな、ガキがよそ見してんじゃねぇよ!』
兄『おい!僕の妹をいじめるな!』
私『お兄ちゃん、大丈夫?痛くない?』
私は兄が枝で手を切って怪我しているのを見て泣いてしまった。
兄『泣くな泣くな、ね?ニコッ...笑って!僕は〇〇ちゃんの笑った顔がだーいすきなんだ!大丈夫だよ、僕が守ってあげるからニコッ』
私『うん、...へへニコッ.....私、お兄ちゃんのお嫁さんになるね!』
そう言いながら、私をずっと守ってくれてたなぁ、.....











「お兄ちゃん、私はやっぱり...」
あぁ、また涙が止まらない.....











そして、結婚式当日


























「...やっぱり、来てはくれないか...」
バンッ!
「お兄ちゃん、顔が暗いよ?今日は幸せになる日でしょ?ニコッ」
兄は驚いた顔をしている。
「幻覚...?」
「ひどいなぁ、...本物だよ?ニコッ」
私は精一杯の笑顔で兄を祝福しようと決めた。

















「お母さん、...お兄ちゃんとお嫁さん...お似合いだね。」
兄がお嫁さんの手を取り指輪をはめている
「幸せ、そうだね.....っ」
あぁ、やっぱり無理だ...
私の目からは大粒の涙が零れてくる...
何度拭っても拭い続けても悲しみの涙が溢れてくる。










そして、兄と目が合う...兄は一瞬悲しい顔をして私に微笑み小さい声で私に届くくらいの声で『俺の妹に生まれてきてくれてありがとう』
そう呟いた、また涙が溢れてくる。
もう、この涙を拭ってくれる人はいない。









そして2人の愛の言葉が交わされる
兄はウエディングヴェールに手をかける
そして.....2人は誓のキスをした。
私の目は大粒の涙で視界がぼやけながらもそれを見届けた。










兄の自慢の妹として.......
そして、私の愛する人を祝福するために。

















それから数年後兄には3人の子供がいる。























そして私のお腹には新しい命が.....




END

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