お店の帰り道__
「山田さん何買ったんですか?」
『え、アロマキャンドルだよ?』
そう言うとあなたさんは笑って
「もぅ、山田さんって女子より女子だよ。笑」
目に涙を浮かべて笑う君を見つめていた。
ずっと見ていたいと思いながら__
「ここらへん、うちの近くなんですけどお茶していきませんか?」
最初は家に上がるのを戸惑ったけど
あなたさんと過ごせるならそれでもいい。
部屋はすっきりとしていてきちんと片付けられていた。
「もう、それ外してくださいよ。笑」
『あぁ、そうだね。笑』
付けていたサングラスとマスクを外すと
「やっと顔見れた。」
と微笑み俺の頬に手を当てた。
トクン...
まただ...
この胸の高鳴り
こんなだったら
いつになっても忘れられない。
全部あなたさんのせい...
でも、どうして君はそんなに悲しそうな顔をしてるの?
「コーヒー、ついでくるね。」
『うん...』
ふと手元のスマホが震えた。
マネージャー【明日は午後から雑誌の撮影入ったからよろしく。】
そっか
今日中には、東京に帰らないと。
だとしたら
あなたさんには
もう会えなくなるのか...
帰る前には伝えたい
自分の思い____
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。