第12話

優しい嘘
670
2018/08/21 22:39



あれから



無事に自宅に着いた。




そしてすぐにあなたさんに電話をかける


:
:


「山田さんっ...!」


『え、あなたさん?どうしたのっ!?』


「あっ、ごめん。...その違くて...」






俺が通話ボタンを押した瞬間

電話に出てくれた彼女。



「山田さんが着いたら連絡するって言ってたたから
ずっと携帯握ってたの...」







なにそれ、可愛いすぎない...



そんなあなたさんを想像すると

なんか可笑しくて少し笑ってしまう




『俺も。ずっとあなたさんの声が聞きたかった。』



電話越しだけど

やっぱり彼女の声を聞くとほっとする。


それくらい自分はあなたさんに溺れているんだろう



「次は、いつ、会えマスカ?」



何故かカタコトの敬語で質問してきたあなたさん



『も〜。笑 大丈夫?』




可愛いくて可愛いくて仕方ない




『そうだね、次は.....2週間後ぐらいになるかも...』




「そっか...。お仕事忙しいもんね...」


彼女の声が少し曇った感じがした。

たぶん、今悲しい顔してるな_



『寂しい...?』


「...ううん。大丈夫。」




「お仕事頑張ってね。」





俺の仕事に支障が出ないように


あえて“ううん”と答えたような気がした。


気遣い屋さんの彼女のことだから__


「じゃあね。」



『え、もう?』


「仕事でしょ?早く寝ないと。」


『うん、分かった。明日も必ず電話するから。』


「楽しみにしてるね。」



そう言って電話が切れた。





あなたさんに『寂しい...?』なんて聞いちゃったけど





1番寂しいのは、俺だった。





早く君を



この手で抱きしめたいよ...

プリ小説オーディオドラマ