あれから
無事に自宅に着いた。
そしてすぐにあなたさんに電話をかける
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「山田さんっ...!」
『え、あなたさん?どうしたのっ!?』
「あっ、ごめん。...その違くて...」
俺が通話ボタンを押した瞬間
電話に出てくれた彼女。
「山田さんが着いたら連絡するって言ってたたから
ずっと携帯握ってたの...」
なにそれ、可愛いすぎない...
そんなあなたさんを想像すると
なんか可笑しくて少し笑ってしまう
『俺も。ずっとあなたさんの声が聞きたかった。』
電話越しだけど
やっぱり彼女の声を聞くとほっとする。
それくらい自分はあなたさんに溺れているんだろう
「次は、いつ、会えマスカ?」
何故かカタコトの敬語で質問してきたあなたさん
『も〜。笑 大丈夫?』
可愛いくて可愛いくて仕方ない
『そうだね、次は.....2週間後ぐらいになるかも...』
「そっか...。お仕事忙しいもんね...」
彼女の声が少し曇った感じがした。
たぶん、今悲しい顔してるな_
『寂しい...?』
「...ううん。大丈夫。」
「お仕事頑張ってね。」
俺の仕事に支障が出ないように
あえて“ううん”と答えたような気がした。
気遣い屋さんの彼女のことだから__
「じゃあね。」
『え、もう?』
「仕事でしょ?早く寝ないと。」
『うん、分かった。明日も必ず電話するから。』
「楽しみにしてるね。」
そう言って電話が切れた。
あなたさんに『寂しい...?』なんて聞いちゃったけど
1番寂しいのは、俺だった。
早く君を
この手で抱きしめたいよ...
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。