誕生の黒影
波旬凛
お比較↓
原神の長編小説のラスボスです。
闇堕ちとかじゃなくてこれが凛の本来の姿です。
誕生
彼女は200億年前から存在し、宇宙の誕生と世界の誕生、そして終わりを見てきた。そしていつしか、彼女はキャラクターになりたいと思うようになった。しかし黒影である彼女は世界に拒まれる。そこで彼女は思いついた。誕生の黒影の力を使って、あの世界のキャラクターとして誕生すればいいと。
誕生の黒影の力は永遠の命と転生、彼女はさまざまな世界のキャラクターとして誕生し、その世界を眺めた。しかしそれはあくまでキャラクターという皮、本来の彼女は黒影だ。皮が破られ死んだ次には、自分は世界の外側にいる。何度も誕生して死んでも、彼女にはキャラクターとして生きる権利も死ぬ権利もない。
無縫
彼女はまた一つの世界のキャラクターとして誕生した。その世界はまだ名前のない世界だった。今まで巡ってきた世界の中で1番つまらない世界だった。
そこで彼女は「りゆ」と名乗る少女に出会った。彼女はこの世界の創作者、この世界はまだ創作途中だという。そこで凛はりゆに自分をこの世界のキャラクターにして欲しいと言った。りゆはそれを了承し、りゆにキャラクターとしての権利を与えた。
起源
しかしながら、キャラクターになっても凛は満たされなかった。生きている気がしないのだ。
世界の形が成り立ってきた時、世界は「抹消の黒影」の襲撃を受けた。凛は黒影と戦ったが、負けてしまう。戦いの中、自分のキャラクターの皮が剥がれていくのを感じた。ちゃんと創作者からもらったキャラクターの権限、それすらも自分を受け入れてくれないというのか。
自分は200億年、自分は何度も生まれて何度も死んだ。何万、何億もの人生を巡ってきた。それでも自分の、1番欲しいものは手に入らなかった。どう足掻いても自分は黒影、世界に拒まれていくのなら、もう全て諦めてしまおうか。
……いいや、このままでは、何億人もの自分に失望されてしまう。何度生きても、何度も死んでもその生死は無駄じゃなかったっと言えるような自分になりたい。
その時、世界は彼女を受け入れた。彼女はキャラクターとして、この地に降り立った。花々が咲き誇り、誕生を祝福する。…これが、波旬凛の起源だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。