第27話

空夢の巣
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2023/10/09 10:27
空夢の巣とは
 黒影達の収容施設。黒影達は繭の中で夢を見ている。その夢が覚めてしまった時は…
デザインはこんな感じ、蚕の繭をイメージした。
ディルックは、凛を通してこの空夢の巣へと行きます。
その目的は、黒影の正体を突き止めるため。
そこでディルックは、ライという少年に会い、色んな黒影と交流を通し、衝撃の真実を知ることになります。
誕生の黒影についてはこちら
会話メモ
ライ「おはよう、ディルック」

ディ「君は…?」

ライ「僕はライ、ここの管理人だよ」

ディ「ここは、どこだ?」

ライ「あれ?彼女からは何も聞いてないの?」

ディ「ああ…」

ライ「そっか…なら、一旦外に出よう。その方が話が早いからね」
巣の光景を見る。
ディ「これは…」

ライ「ようこそ、空夢の巣へ」

ディ「空夢の巣…?」

ライ「ここは黒影達の始まりの場所、…収容施設って言った方が正しいかな?」

ディ「黒影…なぜあいつらを収容してるんだ?」

ライ「ふふっ…僕は空夢の黒影だよ?黒影が黒影を匿ってて、なにもおかしいことなんてないだろう?」

ディ「っ…!君は、黒影が何をしてきたのかわかってるのか?!」

ライ「もちろん、わかってるよ」

ディ「なら…!」

ライ「君の目で見た黒影達は、危険な化け物。…でも、君の目で見たものが全てが事実ってわけじゃないよね」
ディルックはライに説得されて黒影とコミュニケーションを取ります。
黒影達と一通り話した後、ディルックはライのところに戻ってきます。
ライ「彼らとはどうだった?」

ディ「…………」

ライ「そうなるのもわかるよ。彼らは本当に歪な存在だからね」

ディ「…彼らにも、人間らしい顔があることがわかった。だが、今までやられてきたことを思うと、やっぱり許すことはできない」

ライ「ふふっ、べつに彼らと仲良しこよししてもらうためにここに招いたわけじゃないよ」

ライ「知りたいんだよね?黒影のこと。教えてあげるよ。でも、これは彼らには言ってはいけないよ。不意に刺激してしまったら夢から覚めてしまうかもしれないからね」

ディ「夢…?」

ライ「あっ、そうだね。このこともついでに話とこうか」
黒影
 黒影は、本来生まれるはずだったキャラクター達。生まれる直前に世界に拒まれてしまい、宇宙を彷徨っているうちに黒影となった。例えるなら流産。
 まだ誕生すらしてないから生きてもないし死んでもない。
黒影と空夢の巣
 黒影は空夢の巣の繭の中で夢を見ている。しかし、黒影としての本能を刺激されたら、夢から覚めてしまい、化け物となって繭を破って巣を出ていく。
 巣を出ていった黒影は、理性を失い、本能に従って結界を壊していく。それは撃退されるまで続き、撃退されたら、黒影の化け物として暴れていた記憶を失って、巣に戻る。
 生きてもないし死んでもないため、彼らはある意味不老不死。彼らは今日も叶わない夢を見て、抗えない本能に支配されて過ごしている。

 黒影の本能を刺激するもの、それはキャラクターの些細な願い事、キャラクターの願いが、彼らの願いと一致してしまった時、彼らは本能に支配され、黒影となる。
「生死の理を破るお前達に願いを持つ資格はない。夢を見るのはやめろ、現実のお前達は、醜い化け物なのだから」
ライと凛と空夢の巣
 原発の黒影であり、生まれつきの黒影、誕生の黒影である凛は。唯一理性を持つ黒影だった。しかし彼女も本能に支配されれば、そこらの黒影と変わらない。彼女は黒影に支配され、自分がキャラクターとしての記憶を失うのを恐れた。
 だから彼女はライを作った。ライはリンというキャラクターの記憶の集合体。もし彼女が黒影の本能に支配されても、ライがいる限り、自分はキャラクターだった時の自分を思い出せる。それほど彼女は、キャラクターという存在を愛していた。

 ライは凛に記憶を預けられるたびに、黒影の運命を考えるようになった。彼らは本能のままに生きている。しかし、内では凛のように、些細な願い、夢、平和を求めているのでは?
 そう思った彼は、黒影達に安寧を与えるために空夢の巣を作った。
あとこんな会話を入れたい、たぶん終盤あたり。
ライ「…そろそろ、君の旅も終わるんだね」

ディ「…ああ」

ライ「あっちに戻ったら、凛によろしくね」

ディ「…ああ。ひとつ、聞かせてくれないか?」

ライ「なにかな?」

ディ「…君はなぜ、この空夢の巣をつくったんだい?」

ライ「…そうだね。……長くなるけど、聞いてくれる?」

ディ 頷く

ライ「そのことを話すには、約200億年前に遡らないとね」

ライ「当時、まだ宇宙すら存在していなかった時代、そこは無の空間に満ちていた。その無から、1人の黒影が誕生した」

ライ「黒影は、意識のみでその空間を彷徨い、長い年月を過ごした。そして、宇宙が誕生した時、黒影は初めて「実体」を手に入れた」

ライ「そして180億年前に、キャラクター達が住う「世界」や「空間」が誕生した」

ライ「黒影は宇宙からキャラクター達の生涯を見下ろして、彼らから、感情、知識、そして彼らの美しさを学んだ」

ライ「そしていつしか黒影は、キャラクターになりたいと思い始めた。その思いはまるで本能のように黒影の心を支配していった」

ライ「黒影は自分の力を使って、世界のキャラクターとして誕生することにした。しかし、それでも「黒影」という事実は変わらない。自分が関わっていった世界は、近い未来崩壊の道を辿った。自分もその崩壊に飲まれて命を落としたこともあった」

ライ「その後、気づけば黒影はキャラクターだった時の記憶を失って、宇宙空間を彷徨っていた。何度も何度も本能に支配されるままに、誕生して死んでを繰り返した」

ライ「それでもキャラクターの記憶が残ることはなかった」

ライ「無限の輪廻の中で、黒影は自分が世界の毒だと知った。自分はいつか本能に支配され、美しい記憶を失うと知った」

ライ「だから黒影は、失う前に記憶を別の場所に保存することにした。その記憶媒体は「Rai」と名付けられた」

ディ「Rai…それが君の正体か」

ライ「うん。…僕は1人の黒影の何億年もの記憶の集合体。…最近何千年ぶりに記憶の更新があったから、なにかあったのかなとは思ったんだけど…まさか、こんなことになっていたとはね」

ディ「……?」

ライ「…っと、根本的な話がまだだったね。この巣を作ったのは、黒影達に安寧を与えるためなんだ」

ディ「安寧…」

ライ「黒影は本能のままに暴れて、記憶を失う。…僕は記憶が更新される度に、黒影にも夢や些細な願い、平和を求めているんじゃないかと思ったんだ。だからこの巣を作ったんだ。黒影達に、帰る場所を与えるために」

ディ「……」

ライ「僕を作った黒影も、たまにここにくるんだ。…黒影としてじゃなくて、キャラクターとして…だけどね」

ディ「どういうことだ?」

ライ「僕を作った黒影は、今はキャラクターとして生きているってことだよ。……彼女が初めてこの巣に来た時、彼女は僕にこう名乗ったんだ」

ライ「『私は波旬凛、ただのキャラクターです』ってね」

ディ「波旬凛…やっぱりそうだったのか」

ライ「うん……彼女は、原発の黒影にして、生まれつきの黒影…誕生の黒影なんだ」

ライ「黒影達が本能で世界を攻撃するのは、彼女が「キャラクターとして生まれたい」という願いを持っていたから」

ライ「黒影達が夢を見るのは、彼女が夢を持っていたから」

ライ「黒影達がキャラクターに友好的なのは、彼女がキャラクターを愛していたからなんだ」
物語の終わりは、最大で美しくないといけないんだ。こんな終わり方、彼らは嫌みたいだね…。

これは「黒影」と呼ばれた者たちの話、数人の未誕者達が綴った未完の物語。

目を開けて、あの夢を追った日々を思い出すんだ。

最後は、叶わぬ空夢を超えて、僕達が作れなかった物語を…作りなさい!
*空夢の巣にいる黒影達は後々あげる

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