第5話

fifth.
72
2018/03/29 13:16
伊月
美宇、今日部活無いし、今から遊びに行こ?
用事なければだけど
今日は学校の空調設備の点検で、部活停止になっている。
普段は部活であそびに行くのは難しいから、今日がチャンス。
美宇
うん!行きたい!
どこ行こうか?
本当に久しぶりの伊月からのお誘い。
伊月から見れば、初めてのことだろうけど。
嬉しくて、抑えようとしても声が弾んでしまう。
伊月
んー...駅の近くのモールいかない?
美宇
うん!そうしよ!
学校を出て、2人で歩く。
待って、こっちの道は...
美宇
ねえ、こっち曲がらない?
伊月
まっすぐ行ったほうが近いと思うけど
美宇
コ、コンビニに寄りたくて!
伊月
ああ、そういうことか
よかった...
まっすぐ行った道の途中には、あの児童公園がある。なんとなく、行ったらダメな気がした。
欲しいわけでもなかったけど、コンビニでジュースを買って、少しだけ飲む。

さっきまで冷蔵庫に入ってたジュースはこの季節に飲むには冷たすぎる。
伊月
こんな寒いのに、よく冷えたもの飲めるな
美宇
ホットのにすればよかったよ
持ってる手がすごく冷たくなった
ジュースをカバンに入れて、両手を擦る。
本当に飲みたいわけじゃなかったから適当に選んだのが間違いだったな。
伊月
貸して
そう言ったかと思うと、伊月はぱっと私の手をとって握った。
突然のことに声が出ない私。
伊月
あー、ほんとだ
だいぶ冷えてる
伊月は一瞬手を離して、そして、指を絡めてきた。俗に言う恋人繋ぎ。
恥ずかしくて、もぞもぞ動かそうとすると、ぎゅっと握る力が強くなった。
ずいぶん前、初めて手を繋いだ時のことを思い出す。あの時も、離そうとしたら強く握られたっけ。
離れないでって言われてるみたいで、すごく嬉しかった。愛されてる感じがしたというか、うまく言えないけど。
そのまま、2人でモールまで行って、カフェに行って、最後に一緒にプリクラを撮った。
付き合うのは2回目だけど、プリクラ撮ったのは初めてですごく嬉しかった。
ずっと、大事にしたいと思った。
別れた後も。

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