久々の体育館
それに昨日の事を思い出すと恥ずかしすぎて
今にも顔が燃えそう…
夏休みにも関わらず体育館はギャラリーでいっぱい
その中を掻き分けてやっとの思いで2階フロアから
みんなが見れる場所に出れた
私がそこまで言いかけると莉桜が物凄い勢いで
私の口を塞ぎ なんとも言えない変な顔をしている
すると何かと視線を感じそっちを見ると
双子くんの団扇 主に治くんの団扇をもっている
女の子からの視線だった
苦し紛れの発言
文章もめちゃくちゃだが女の子達は私達から
双子くんに視線を移し 声援を投げている
私たちは小声でこそこそ話している
また聞かれたら次こそ言い訳なんて出来ない
私が言葉を発しようとすると遮られ
莉桜が指を指す方を見ると角名くんが
助走をしスパイクを打とうとしていた
角名くんの目の前にはしっかり人が飛んでいて
打ったらその人の手に当たるのかなって思いきや
全然違う方向に飛んで行った
角名くんのスパイクを見れば見る程
意味がわからなくなる
ブレなさすぎて…初心者の私が見ても凄いのがわかる
私がぽけーっと角名くんを見てると
目が合い手を振ろうとすると直ぐにそらされた
莉桜は横で北さんを見てかっこええ
綺麗やなあって永遠に言っていた。
話は戻って治くんは莉桜が好きで付き合ったなら
北さんの事で絶対嫉妬するよね…
私は治くんと莉桜の事や
角名くんの事を考えているとあっという間に
部活も終わっていた
午後から監督さん達が会議がある為午前中のみ
昨日 一昨日で皆が持ってきてくれたアイスがぱんぱんに
冷凍庫には詰まってる
遠くから侑くんが結構大きい声で私達を呼んだ
その後ろには治くんと角名くん
角名くんとは練習中何度か目が合ったが全部直ぐに
逸らされていた
そういい2人を引っ張っていった侑くん
私は今しかないと思い莉桜と2人で裏門に
行きながらもやもやを話した
莉桜は頷きながら角名くんもやりおるなあ
と感心していた。
莉桜が指さす方には侑くんを真ん中に
角名くん 治くんが並んで歩いてきていた
私はちょいちょいと侑くんにし
侑くんは ん?と言いながら屈んでくれた
侑くんは元の体制に戻り少しむずかしい顔をしていた
ああ、また始まってしまった…
すると莉桜が2人を引っ張り怒っている
お母さんか笑
莉桜はコソッと私に話しかけ
また2人の元に走っていった
私は角名くんをチラッと見ると携帯を見ていて
話しかけていいものなのか頭を抱えていた
角名くんはそれだけ言うとまた
目を携帯に移し歩き出した
角名くんは携帯から目を離さず話すものだから
少し怒り気味に言っていた自分がいた
すると急に笑いだし 私の目を見てくる
いつもならきっと
違うとか否定的な言葉を使うんだろうけど
今日は 今は この言葉はだめだと自分の中で
確信していた
角名くんはぽんぽんと頭に手を置き
微笑んでいる。
セミの音や夏らしい音がうるさいはずなのに
私には何も音が聞こえない。
だから私が言った言葉に理解するのにも時間がかかった
理解した瞬間角名くんの顔が見れずにいる。
見ればいい事なのに恐怖が勝ち顔を見れない。
角名くん、あなたは今どんな顔をしていますか?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。