第50話

XLVI
3,288
2019/03/18 11:58

🚪コンコン


あなた
あなた
はい・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
あなた、入るよ
あなた
あなた
ぅん・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
何か・・・・・・あったの?
あなた
あなた
涼介と・・・・・・言い合いになった・・・・・・廉の事で
伊野尾慧
伊野尾慧
・・・・・・そっか
あなた
あなた
私・・・・・・間違ってたのかな
伊野尾慧
伊野尾慧
なんでそう思うの?
あなた
あなた
だって・・・・・・一緒にいたいし・・・・・・でも、廉はまだ私の執事で・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
あなた?まだママと話した時、執事と婚約した事、後悔してないっていたでしょ?
あなた
あなた
うん、言った
伊野尾慧
伊野尾慧
今・・・・・・あなたは、後悔してるの?
あなた
あなた
してない
伊野尾慧
伊野尾慧
じゃぁ・・・・・・山田のことが気になる?
あなた
あなた
なぜなのかわかんないけど・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
そっか・・・・・・じゃぁ、少し目を閉じて
あなた
あなた
えっ?
伊野尾慧
伊野尾慧
いいから・・・・・・


私は、お兄ちゃんの言う通りに目を閉じた。


どこからか、甘ったるくクラクラする匂いがしてきた・・・・・・

あなた
あなた
お兄ちゃん・・・・・・?・・・・・・ハァハァ・・・・・・これって・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
なぜ、山田が気になるのか・・・・・・もう1人のあなたに聞くのがいいかと思って・・・・・・
もう1人の人格
もう1人の人格
ハァハァ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・いや、慧?なぜあなたを眠らせる・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
お前は、山田が好きか?
もう1人の人格
もう1人の人格
・・・・・・ッ!!
伊野尾慧
伊野尾慧
クスクス・・・やっぱり・・・・・・
もう1人の人格
もう1人の人格
でもあなたは廉と婚約した・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
それが嫌なんじゃないの?
もう1人の人格
もう1人の人格
どうして・・・・・・それを・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
あなたがさ、初めてお前を作り出した時、お前は、俺には心を開かなかった・・・・・・
もう1人の人格
もう1人の人格
それは・・・・・・ショックを受けてたから
伊野尾慧
伊野尾慧
いや、違う・・・あの時、まだ小さかった山田がよく遊びに来ててさ・・・俺とあなたと山田とよく遊んだ・・・・・・覚えてる?
もう1人の人格
もう1人の人格
確か・・・・・・あの時・・・まだ専属シェフがいて・・・・・・あの時来てたのが・・・・・・涼介のお父さん?
伊野尾慧
伊野尾慧
よく覚えてるね・・・そうだよ・・・俺達は庭でよく遊んでて・・・心を誰にも開かなかったあなたが・・・・・・いや、お前は山田にだけ笑顔を見せた
もう1人の人格
もう1人の人格
なに?・・・・・・あなたの事・・・・・・好きなの?クスッ・・・・・・兄妹なのに・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
まぁ、軽くヤキモチかな・・・俺にベッタリだったあなたを山田に取られた感じ?
もう1人の人格
もう1人の人格
それと、あなたと廉が婚約した事となんの関係が?
伊野尾慧
伊野尾慧
俺・・・・・・お前と山田のSEX現場・・・・・・よく見てんだよ
もう1人の人格
もう1人の人格
はぁ?・・・・・・そんな趣味あったんだ・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
山田とやってるお前・・・・・・しきたりのためにやってるとは思えない・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
お前は山田が好きで・・・・・・でも、表のあなたは廉と婚約・・・・・・そりゃ毎晩やられると辛いよね・・・・・
もう1人の人格
もう1人の人格
あなたが決めた事・・・・・・それを応援するんじゃないの?
伊野尾慧
伊野尾慧
あぁ、応援するよ・・・・・・でもはっきりしないと・・・・・・山田も納得しないだろ?なぁ?山田!!
もう1人の人格
もう1人の人格
えっ?・・・・・・ハァハァ
山田涼介
山田涼介
・・・・・・
もう1人の人格
もう1人の人格
涼介・・・・・・
山田涼介
山田涼介
慧様・・・・・・やりすぎではないですか?これじゃあなたの体が持ちません
伊野尾慧
伊野尾慧
ママのように・・・・・・壊れちゃうかもね・・・・・・
もう1人の人格
もう1人の人格
はぁ?・・・・・・ッ!!・・・・・・それでママは、病弱に・・・・・・ハァハァ・・・・・・ガクッ
山田涼介
山田涼介
あなた様?・・・・・・大丈夫ですか?
伊野尾慧
伊野尾慧
山田〜、無理せずに廉からあなたを奪えば?
山田涼介
山田涼介
・・・・・・・・・出来ません
伊野尾慧
伊野尾慧
なぁ〜んで?山田も、あなたの事好きなんでしょ?
山田涼介
山田涼介
ええ。好きです・・・・・・ですが、私は執事ですあなた様に仕える身です
伊野尾慧
伊野尾慧
だから、出来ないって?
山田涼介
山田涼介
はい・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
なに?それ・・・・・・どこまでご主人様に忠実なんだよ・・・・・・
あなた
あなた
ハァハァ・・・・・・お兄ちゃん、やめて・・・・・・これ以上、涼介を困らせないで・・・・・・


🚪バタンッ


永瀬廉
永瀬廉
あなた様!!
山田涼介
山田涼介
廉・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
廉・・・・・・いい所に来たじゃん
あなた
あなた
廉・・・・・・
山田涼介
山田涼介
慧様・・・私は慧様の言いつけで、澪をこの家に招きました・・・・・・大切な妹を・・・・・・まさか慧様に仕えるとは・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
もちろん、全てにおいて尽くしてくれてるよ?
山田涼介
山田涼介
・・・・・・・・・
あなた
あなた
涼介にそんな事、言う必要あるの?
伊野尾慧
伊野尾慧
あるでしょ(笑)
あなた
あなた
言わなくても、涼介はわかってる・・・・・・澪ちゃんが決めた事だから・・・・・・って
山田涼介
山田涼介
あなた様?
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・あなた様
あなた
あなた
涼介や、イヴが誰をすきでもいい・・・・・・私は、廉と婚約したの・・・・・・後悔もしてない・・・・・・廉を信じてる・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
あなたはなんでそんなに人を信じるの?
あなた
あなた
誰でも信じてるわけじゃない・・・・・・私の大切な執事だから信じてるの・・・・・・お兄ちゃんも澪ちゃんの事・・・・・・信じてるんじゃないの?
伊野尾慧
伊野尾慧
それは・・・・・・
あなた
あなた
私たちに仕える執事、メイド達は少なからず何かを犠牲にしてる・・・・・・それは、主人である私やお兄ちゃんも同じでしょ?
伊野尾慧
伊野尾慧
あなた・・・・・・
あなた
あなた
信頼してるからこそ、廉と婚約したの。涼介を信じてるからこそ、我が家の1番高い位の当主第一執事になったの・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
・・・・・・・・・・・・
永瀬廉
永瀬廉
慧様、私はまだ未熟です。ですが、あなた様・・・・・・いえ、あなたをいつでもどんなときも守ります
伊野尾慧
伊野尾慧
・・・・・・クスクス・・・・・・あなた、俺は明日からお父様の右腕として海外に行く・・・・・・帰ってくるのはいつかわからない・・・・・・
あなた
あなた
えっ?・・・・・・そんな急に・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
急じゃないんだ・・・・・・3ヶ月前から決まってた
山田涼介
山田涼介
慧様・・・・・・
伊野尾慧
伊野尾慧
山田、澪を連れていく
山田涼介
山田涼介
はい
伊野尾慧
伊野尾慧
廉・・・・・・あなたを執事として、婚約者として、守ってくれ
永瀬廉
永瀬廉
はい、かしこまりました
あなた
あなた
お兄ちゃん・・・・・・


その後、お兄ちゃんはパパの元に向かった

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