第17話

391
2019/07/27 09:38

@買い出し組



ユソ
ユソ
よろしくお願いしますね!
エルさん
エルさん
うん、よろしく。
そういえば慣れてきたね。
ユソ
ユソ
ん?何がですか?
エルさん
エルさん
ほら、1年前はすごく静かで話しかけてもオドオドしてたのに。
今となってはLIVEでもファンサイン会でも笑顔でさ。
ユソ
ユソ
あー、思えばそうですねwww私、昔から人見知りで。
人と関わる職業とか無理だろうなって思ってたのに。
エルさん
エルさん
うん、でも、この職業はユソに向いてるよ。
ユソ
ユソ
そうですか?
エルさん
エルさん
だって、ヒナとかはステージ上もステージ上でなくても変わらないじゃん。
だけどユソに限ってはステージ上とのギャップがあるでしょ?
だからファンもその魅力に酔う。そしてユソはたくさん人気を集める。
ユソ
ユソ
えへへ、そう言ってもらえて嬉しいです!
エルさん
エルさん
うん………あ、着いたよ!
ユソ
ユソ
はい、じゃあサングラスをかけてっと…………。
行きましょう!




@ショッピングモール

ユソ
ユソ
んっと、まずは飾り付け用のやつを買いましょう。
モールと文字のやつと風船とイルミネーションライト………。
エルさん
エルさん
これと、これと…………。
ユソ
ユソ
モールどこだ……………?
あ、あった!!
んっと、届かない、あとちょっと…………。
キャッッッ!!!!!!
エルさん
エルさん
大丈夫、無理しちゃ駄目だよ?
あとちょっとで届きそうだった私を、エルさんが持ち上げた。

軽そうにヒョイってやられて、早くとってみたいな顔で見られたら流石にキュンッてなる。
ユソ
ユソ
と、取れました。
エルさん
エルさん
OK、下ろすから大人しくしてて。

地面に下ろされてエルさんを見上げた。

今まで気にしなかったけど、エルさんて背高いんだなぁ。

私がちっちゃいからそう見えるだけかな?
ユソ
ユソ
ごめんなさい、重いのに…………。
エルさん
エルさん
ううん、軽かったし大丈夫。
僕買いに行ってくるから待ってて。

サラッとこーゆーこと言える人ってかっこいい………。

なんかほっぺたがいつもより熱くて、LIVEの時とは違うドキドキがする。




ユソ
ユソ
これで…………全部買い終わったかな?
エルさん
エルさん
そだね、帰ろうか。
ユソ
ユソ
あ、そうだ!
エルさん
エルさん
ん?
ユソ
ユソ
皆さんにドーナツ買っていきません?
掃除とか打ち合わせとか頑張ってると思うし。
エルさん
エルさん
うん、だね。
じゃあユソ買ってきてくれる?
僕も買いたいものがあったから。
ユソ
ユソ
はい!





どれにしよーかな。
ヒナオンニはポン○リング。
あなたオンニはイチゴかな。
ハナオンニはチョコレート。
リジュオンニはクリームのやつ。
ジヌはチュロスが好きだったし。
…………エルさんは何にしよう。
紅茶好きって言ってたから紅茶かな。

店員 お会計900円です。

ユソ
ユソ
お願いします。
……………ありがとうございました!
エルさん
エルさん
買い物終わった?
何円だったの?
ユソ
ユソ
え、900円でしたよ?
エルさん
エルさん
じゃあ…………はい、1000円。
お釣りはいらないからね。
ユソ
ユソ
駄目ですよ、そんなの!
これは私から皆さんへの差し入れですし。
エルさん
エルさん
じゃあ、せめて割り勘。
ユソ
ユソ
大丈夫です、ほんとに!
エルさん
エルさん
駄目ですー。
ユソ
ユソ
は、はい…………………。
ごめんなさい、払わせちゃって。
エルさん
エルさん
こっちこそだよ、ほら、車行こ?

そう言って、なぜか手を出してくるエルさん。

戸惑ってたらむりやり手を取られて強制的に繋がされた。

昔から男の人が苦手だった私は、今まで女子校を通ってきた。

だから男の人と手を繋ぐのはオッパとアッパ以外で初めてで緊張する。

男の人の手って、こんなに大きかったんだ。

あったかくてオッパのこと思い出しちゃうなぁ。





@車の中


エルさん
エルさん
そうだ。ユソ、そのカバン開けてみて。
ユソ
ユソ
これですか?
………開けましたよ。
エルさん
エルさん
そこに箱入ってるでしょ?
ユソ
ユソ
はい。
エルさん
エルさん
それ開けていいよ。
ユソ
ユソ
私がですか?!
もっと大切な誰かに…………。
エルさん
エルさん
いいから開けて。
ユソ
ユソ
開けれませんよ〜、こんな高そうなやつ!

私がそうゆーと、エルさんは近くのコンビニに車を止めた。

そしてカバンから箱を取り出すと、私に近づいて抱きしめる体制になった。
ユソ
ユソ
えっ?!
エルさん
エルさん
しっ、動かないで。

私の視界にはエルさんの黒いトレーナーしか見えない。

私の頭の後ろで箱を開ける音がした。

そして箱を置くと、何かを私の首にかけた。

冷たい金属が当たる。
エルさん
エルさん
ん、やっぱり似合う。

そう言って私から離れる。

胸元を見ると、小さくて白いマーガレットの花のネックレス。

光に反射してキラキラと光っている。
ユソ
ユソ
わあ…………可愛い!!
エルさん
エルさん
さっき買ってくるって言ったのはこれのこと。
早めのHAPPYBIRTHDAYだよ。
ユソ
ユソ
えっ?
エルさん
エルさん
もうすぐ誕生日かなって思って。
春生まれって言ってたからさ。
ユソ
ユソ
覚えててくれたんですか……?
エルさん
エルさん
うん。
ユソ
ユソ
実は、その………来週が誕生日なんです。
覚えててくれてありがとうございます!
エルさん
エルさん
春の花って言ったらマーガレットかなって思ったの。
それにユソのイメージカラーが白だから。
ユソ
ユソ
でも……春の白い花ってもっとありますよね?
なんでマーガレットにしたんですか?
もしかして、私の好きな花知ってたんですか?!
エルさん
エルさん
うん、本当はノースポールとかカーネーションもあったんだ。
だけどユソはマーガレットが似合うし、僕の好きな花、だから。
ユソ
ユソ
好きな花、一緒だったんですね。
エルさん
エルさん
うん……………よし、みんなを待たせられないから帰ろうか!
ユソ
ユソ
はい!

花が好きだった私は、マーガレットの花言葉を知っていた。

エルさんが本当に花言葉を考えてこれをくれたのかは知らないけど。

マーガレットの花言葉は、『恋占い』『信頼』、そして…………。









“『真実の愛』”
















また顔が熱くなった。

もしかしたら私は……………



































エルさんに恋をしているのかもしれない。

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