結局、さっきのに怯えて2人の内の片方が死ぬのを見たくなかったのか公園に残ったのは私、柚輝、麗菜、琳、蒼翔だった。

琳が前に出ると、トランプを手に取ってシャッフルを始める。トランプを見ながら翔吾は…

私のクラスには不登校が1人いる。
楽しい空気の教室の中にポツンと寂しくある机はいつも印象的だった。

琳がトランプを配りながらそう言うと、「私は見たことないなぁ」と麗奈が呟く。

それは本当に友達って言えるの？
そんな10年も会っていないのにまだ友達とか…

しょうもない…。

言われた数だけ琳が2人にトランプを配る。

翔吾が自分の手札をちらりと見てから、そっと机の上に置いた。

麗奈の問いに答えるように瑠璃が机の上に手札を投げるようにして置いた。

翔吾が呟き、着信音が鳴る。
すると、翔吾は一瞬だけ顔を顰めたかと思うと後ろに倒れてベンチから落ち、そのまま動きを止めた。

また目に涙を溜める。
そして、また私は苛立ちを覚える。

だから、笑顔で言ってやった。

私の言葉に蒼翔は目を開き、息を呑む。
すると、ベンチに座り続けスリーカードとフルハウスを見つめていた瑠璃が小さく呟いた。