第9話

廃墟の町の明るい家
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2021/05/03 20:04
私が野坂に着いたのは朝の9時頃。
今のところまだ蒼翔達の姿は見ていない。
碓氷 澪
もうほぼ終わってんじゃん…
何故、廃墟化した野坂に駅があるのかは知らない。
無人駅で駅をでると目の前にはフェンス。
「写真はここから撮ってください。」
この張り紙的に観光客向けか…。
防犯カメラもなさそう。
そう思い、私はフェンスに足をかけると次の電車が到着する前にとフェンスを登った。
碓氷 澪
さて、問題は何処が英雄殺しの家か…
ボロボロの町を歩くと生き生きと茂っている木々が生える山が視界に入った。
何となく気になってしまい、私は森の奥へ。
帰る道が分からなくなったのは気にするのをやめとこう…
何かに導かれるように奥へ奥へと進むとちょっと先の方に開けてる場所があることに気が付いた。
碓氷 澪
何だろ…
自然と早足になり、開けた場所に出るとそこには1つのお墓があった。
まだ枯れてない新しい花束が置かれている。
碓氷 澪
誰か来た?…てか、何でこんなところにお墓が…
私はお墓の前にしゃがむと名前を見る。
碓氷 澪
三浦友哉之墓……
???
そこで何をしてるの。
背後から声が聞こえ、バッと振り返るとそこには私と同じくらいの男子と大きな獣がいた。
男子は警戒心MAXで私のことを見る。
碓氷 澪
だ、誰?
???
聞くなら自分から名乗りなよ。それよりも何でここに辿り着けたの?正しい道を通らないと見つからないようになっているのに…
碓氷 澪
来たのは本当にたまたまで…碓氷澪って言います…
???
……もしかして、スズさんがよく話してた澪ちゃん?
碓氷 澪
そ、そう。
???
何だ…まぁそれならいっか。虎徹、この人は敵じゃないから行こう。
碓氷 澪
ちょっと待って。
???
何?
碓氷 澪
私の名前、教えたんだから君の名前も教えてくれていいんじゃない?
???
!……
私に言われ、驚いた彼は少し俯いて考え事をすると虎徹と呼ばれた獣を見ながら「いいか」と呟く。
???
DEATH GAMEの生き残りでしょ?不法侵入までして来たなら目的は英雄殺しの家、違う?
碓氷 澪
そうだけど…
???
いいよ、ついてきて。そこまで案内してあげる。
碓氷 澪
え、いいの?
???
うん、僕が責任を持つ。ほら、早く。
急かされ立ち上がると私は迷いを見せずに歩いていく男子の後を追いかけた。
案内されたのは住宅街。
そして、三浦と書かれた古い家の前で止まると門を開けて中へと入っていく。

一度外に出た私は家の中に入ることが出来ない。
でも、中に用事があった私は庭へと回った。
???
翔馬さん、貴方の元生徒さんです。
碓氷 澪
ん?元生徒ってことは…
若槻 翔馬
やっぱ来ると思ってた、碓氷。
碓氷 澪
先生…
いつも通りニット帽を被ってテレビを見ている先生が私が入って来たのを見て、スグにそう言った。
若槻 翔馬
どうせ、狐のことだろ?
碓氷 澪
どうせって酷いです、私は蒼翔よりも早く探したいだけですよ。
若槻 翔馬
まぁ、狐の家はここの隣だけどな。
碓氷 澪
じゃあ、ここはあのお墓の人の…
若槻 翔馬
そうだ、狐の幼馴染の家。…あ、自己紹介はしたのか?
???
まだですね。
若槻 翔馬
コイツ、瑠璃にはちゃんと会えたみたいだし一応しとけ。
碓氷 澪
この人は前に瑠璃が言ってたもう片方の家系の人ですか?
若槻 翔馬
そゆこと。

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