みやside
先にいるだろうなとは思っていたけど2人きりは久しぶりで緊張してしまう。
いつも以上に女の子らしく可愛いねおちゃん。
つやっとした小さな唇、くりくりとした目は真剣で俺の目を見ている。
するとニコッとねおちゃんが笑い、むねがドキッと高鳴った。
あまりに突然の言葉に驚き耳を疑った。
いやいやなんかの聞き間違いじゃ…
そう言い終えたねおちゃんは恥ずかしそうに下を向いた。
思わず俺は言葉よりも体が先に出てしまって。
俺はあまりの嬉しさにねおちゃんを前から抱き寄せた。
ねおちゃんは周りより背が高い方だけど俺の腕にすっぽりと入った。
お花のいい匂いが俺の心を満たしていく。
それもまた愛おしくて。
ねおちゃんはびっくりしたのかその体制のまま上目遣いでこっちを見てくる。
俺は照れて目を背ける。
俺がそう言うと嬉しかったのか今までで1番の笑顔でねおちゃんは俺を抱き締め返した。
なにこれ。胸が張り裂けそうなんだけど。
ぎゅっとしているねおちゃんは可愛くて。
可愛すぎるくらいで。
ほんとに、俺をどんだけ好きにさせたら気が済むの?
そこからは隣に座って今までの事を話した。
嫉妬して応援するなんて言っちゃったこと、辛くて冷たくあたってしまったこと。
ねおちゃんからもせりしゅんとは試しで付き合ってと言われていたこと、そこで俺が好きと気づいてやめてもらったこと。
いろいろ話していろいろな発見をした。
お互い知らなかったこと、勘違いしていたこと、たくさんあって、それを話す度にまた2人の距離も縮まった。
時間が過ぎるのもあっという間で外にはだんだん生徒が登校してきてしまったようだった。
俺がそう言うとねおちゃんはにこにこと喜んでこっちを見てから元気にそう返事をした。
可愛いなあ。
ねおちゃんは驚きつつも喜んで返事をした。
ねおちゃんが幸せならって強がった時もあったけど、やっぱり俺はねおちゃんじゃないとだめだな。笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!