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第7話

四等区での生き方
「…空が…綺麗…」

この地区に来てから3日が過ぎた。家からは出して貰えない、リュウだけが朝に家を出て夕方になると帰ってくる。その間僕は小屋の中で1人で待っている。特に何かする訳でもない。小屋にはちゃんと窓がついていて、窓を開ければ空が見えた。
この四等区で僕が生きる為には準備が必要だと言われた。その準備が終わるまでは家から出る事を禁止されている。

朝から夕方まで過ごす時間はとても退屈だった。紙やペンがある訳じゃないし本もない。食事は堅パンと朝昼で届く三本の牛乳、それだけだった。リュウは朝出掛ける時机の上に水をはった桶を置いていく。牛乳が届いたらこの中に入れて置くよう言われていた。そして食事をする時には飲んでもいいと…。

それが3日。退屈だけどこの地区から出ようとは思わなかった。あの家にいるよりこの場所にいた方がよっぽどマシだ…。
「……リュウ…」

まだ日が高い、彼は帰らない。
目を閉じると僕は直ぐに睡魔に襲われる…。




── ガタガタ、ガタンッ!

「…ッ!?」

不審な音に目を覚まし、僕は咄嗟に身を隠す。中から掛けた鍵を開けるのに手こずっているらしい…のが分かる。
「なあ、本当に一等区のガキが居るのか?」

「ああ間違いない。リュウが小せぇガキ連れて一等区から出るのを見たって言う奴が居るんだ。それが本当なら高値で売れるぞ」

「ッ…!?」

「一等区のガキだろ…いくらで売れっかな」

「さあ…けど、上物なら一億ぐらいの高値でうれるはずだぜ。女のガキならその数百倍だろうぜ」

「男でもその手の奴が買えば高値になんのかな、楽しみになってきたぜ!」

「…ッ…」

売られる? 僕が?
その言葉が頭から離れない、早く逃げないと捕まってしまう。だけど座ってる椅子から立ち上がる事が出来なかった。まるでくっ付いているみたいに動けない、体がガタガタと震え出す。

「リュウ……たす、け…て…」


── バタンッ!

「…ッひ…!」

「……へぇ、噂は本当だったらしいなぁ?」

「こりゃ中々の上物だ。銀糸の髪に青い眼、白い肌…このガキは間違いなく、一等区のガキだ」

僕の前に立つ大柄な男が2人…。
口元がヒゲで覆われた大きい男と剣を片手に持った少し細身の男、僕を舐め回すように見ている。こんな状態でも僕は動けずにいた。動いて欲しいのに…。なんで…ッ。

「おい、ダン。このガキをお頭の元に連れていくぞ」

「おう!」

「やめ、て……ッぐふ…!」

視界が…真っ暗に───
「リュウもバカだなあ、こんな上物独り占めしようなんざ。帰ってきた時のあいつの顔が楽しみだぜ、獲物を奪われた獣の顔がな…ククッ…」