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第8話

誘拐
ここは、どこだろう……。暗くて何も見えない闇の中で小さいけど声がした。僕は聞き耳を立てて話を聞き取ろうとする。

「───が………───………に……」
「おれ………き、ま……す」
「(やっぱり上手く聞き取れない……もっとドアに近ければ…)」

─── バンッ!


「ッ…!」

突然ドアが開き光が漏れる。どのくらい暗い場所にいたのかは分からないけど、扉の音からして物凄く重たいものだと思った。
「来い! お頭が呼んでる」
「……ッ」
ニタニタと気持ちの悪い笑い顔で前歯が一つ黒く変色している男に呼び出される。
首についた鉄のリングとそれに繋がる鎖、強く引っ張られながら僕は部屋から出された。

「これ被っておけよ」
「…うわッ!」

紙袋のようなものを顔にすっぽりと被され前が見えない。鎖の引かれるままに僕は恐る恐る歩を進める。
── ギィィィィ………

「お頭! 例のガキ連れて来やした!」
「ッ……」

袋が取られ恐る恐るそこに目を向けると、とても大柄な男がそこに座っていた。黒い口ひげと片目は怪我をしてるのか眼帯をしている。肩には丸い球体にトゲが生えているオブジェみたいなのが付いているし、足はとても太い。それに見た事もない黒い龍の刺青……。
それがどんなに危険人物かというのが、分かる。
「リュウが連れてたガキがこいつか?」
「そうです。銀髪に青い瞳、一等区の子供の特徴ですぜ? それにあっこから出たのを俺は見てやした」
「そうか。ごくろう、下がっていいぞ」

僕を連れてきた男は頭を下げて立ち去っていく。僕は下唇を噛み締めてただ俯いていた。

「貴様……穢れているな」
「ッ……どういう、意味だ」
「そのままだ。穢れは穢れだ。そんなガキに用はないが……三等区の奴らに売り渡せば高値で売れるだろうな」
「なッ…」

こいつもまた欠けた前歯を見せながらニヤニヤと笑った。
「僕を売ってどうする気だ!」
「貴様ら出来損ないが出来る事なんざ限られてるだろうよ! ここで奴隷になるか、金になって俺ら貧困民の生活費になるかなんだよ」
「…ッ出来損ない……」
「知ってるんだぜ? 一等区の人間がガキを捨てるのは頭が悪いか役立たずだって事ぐらいな。戻れる宛はねえんだ、それにリュウがいつまでもお前と暮らすわけねえんだからな」

大声で高笑いする大男、僕が食って掛かろうと立ち上がった時だった。

「ぐああああぁぁ!!!」

── ドサッ

「てめ、ぇええええ! ごフッ!!!」

── ドサッ

「……え、何…」
振り向くと僕の鎖を繋いでた人とここへ連れてきた人2人が血塗れで倒れていた。
何が………?