第33話

疑問
「ねえリュウ、気になること聞いてもいい?」
「ああ、なんだ?」

それは僕が話を聞いてから生まれた疑問だった。

「リュウはデッドの右腕でドラゴンサバイバーに居たんだよね?」
「ああ、そうなるな」
「だったらどうして僕の家を物色しようとしたの? だってリーダーは僕の父親でしょう? それに家庭教師として来てたのも…」

リュウは少し考えてから口を開いた。

「俺はその時ドラゴンサバイバーの上司がお前の父親とは知らなかった。ただデッドに偵察に行けと言われたんだ。それでお前の父親の所へ家庭教師として乗り込んだ訳だ。上手く行くと言われてな、すんなり家に入れて貰えた上お前に懐かれて…悪い気はしなかったな」
「おかしくない? リュウはそこそこ有名人だった、子供の僕でも知ってたのに…他の大人がリュウを知らないはずがない」
「……そうだな。確かにそうなると、やはりバラベルト団長の圧力か権力の問題になるな」

犯罪者を一等区に招き入れて静かだったのもおかしい。騒がれるはずなのに、今思えば不思議なことだらけだ。それもこれも僕の父親、バラベルトの企みのうちの一つになるのだろうか?

僕を殺す以外にも他に何か目的があるのだとしたら? わざわざ自分の家を偵察に行かせる理由も分からない。
「これは調べてみる必要がありそうだな。バラベルトが何を企んでいるのかを…」
「そうだね…」

僕の父親がやろうとしている事は一体なんだろう。世界征服? それならこの外の世界も一緒に? 何にせよ、その企みは決していいものじゃないはずだ。僕とリュウで全ての疑問を晴らして全ての謎を解き明かす。
そして本当に静かな生活をしたい。誰も僕達を邪魔しない静かな生活、それを目標に……。

「ねえ、リュウ…僕とずっと一緒に生きてくれる?」
「何だ、どうしたんだ急に」

僕は彼にぴったりくっ付いて抱き着いた。この先リュウが言ったように僕の父親と戦うことになるかもしれない。そうなった時、僕はリュウを守れるのかな。死なせずに守ることが……。

「安心しろ。俺は絶対に死なない、そしてお前の事も守るから、な?」
「うん。絶対だよ約束だからね、リュウ」
「ああ、約束だ」

僕はリュウに抱き着きながらそのまま目を閉じた。彼の匂いに包まれて……。