第40話

最終決戦①
「急げ! 急げ!」
「んみゃー!!」

 一等区で猫達が住人を外へ連れ出すのに時間はかからなかった。みんながそれぞれ何事かと声を潜めている。

「行くぞ!」
「うん!」
 燃え盛るバラベルトの家、俺達はヤマト達の術式で火に耐性を付けてもらい家の中へと入り込む。

── ヒュンッ!
「うわっ! 矢だ…」

「お前達……」

 そこに居たのは……。

「おかあ、さん……っ?」
「私はもうお前の母ではないのよ」
「真宙、しっかりしろ」

 そこに居たのは真宙の母親、普段と同じ格好なのだろうが…その手には弓矢を携えている。そして再び俺達を狙い弓矢を放つ。

「ちょこまかと、じっとしていれば何も痛いことはないのよ? これは毒矢! 掠めたらすぐ毒が回って楽に死ねるわ」
「そんなことさせるか!」

 剣で弓矢を払いながら突っ込んでいく。女は弓で剣を止めた。

「何なのよ! 何故あの人の邪魔をするの!」
「邪魔だと、それが本当に正しい事だからだ! あんたらのやる事は間違っている!」
「何がどう間違っているのかしら。あの男もお前達に全てをバラしたからこそ殺された、罪深き者は殺されて当然! お前達もだ!」

 強い力で押し込まれる。それを払い再び振り下ろすも女はバク転で俺の攻撃を交し弓矢を引く、飛んでくる弓矢をまた剣で払った。何度も引かれる弓矢、これでは近付けない!
「あーはっははははは! 逃げ回るだけでは何も出来なくってよ!」

 飛び交う弓矢、真宙を目で探す。どこにも見当たらない。だがあいつも何か考えがあるかもしれない、危険に晒すことは止めておこうと探すのを止める。
 剣で弓矢を払うだけでは何も出来ない。服を弓矢が掠める。

「チッ…」
「その腕は確かなようだ。だがこちらも反撃と行くぜ!」
「はっ…!」

 矢を手元に持ち運ぶ一瞬の隙、その手から弓矢ごと弾き飛ばす。遠くの方に落ちる弓矢、拾いに行こうとするのを剣で制す。

「勝ったと思うな!」
「わぁっ!」

 真宙の背後から手を伸ばし肩を思い切り引き寄せては懐から短剣を出す。

「真宙!」
 その瞬間、真宙は掴まれた肩の腕を真っ直ぐに突き上げた。そしてそのまま腕を後ろへ回し手刀で女の首元を攻撃する。女が前かがみになると両肩を掴み鳩尾に膝を入れた。
 その手からナイフが落ち真宙はそれを俺の元へ蹴飛ばす。

「ごほっごほっ!……はぁっはぁ…なんて事、それは…護身術じゃないの…ごほっ!」
「僕を甘く見るな」

 俺は真宙と顔を見合わせ近寄り剣を首元に当てて動けないようにした後ロープで彼女をぐるぐる巻きにした。
「………っここで足止めをするよう頼まれていたのに…」
「真宙、この女を見張っておけ」
「分かったよリュウ、気をつけてね」

 俺は部屋を出て廊下を歩いた。