第24話

2万人の人質①
それは、突然起きた。
騒がしい。ヘリの音がうるさい、それで目が覚めたが、何がどうなっているのか分からなかった。そこで俺は普段見ないテレビを付けた。

『犯人の予告に寄りますと、午後5時丁度にこのホテルを爆破するとの予告があり宿泊者全員の安否が確認されています。なお犯人が1人ホテルに滞在しているとの事ですが、誰もその犯人の顔を知りません。宿泊者が外へ出た瞬間に爆破するとも予告されており、ホテル側はお客の混乱を押さえるため──』

「ばく、は……よこく…?」
「ッ! お、起きたのか…」
「リュウ、これ、何」

俺はやっちまったと頭を抱えた。なるべくなら見せたくなかったのだが仕方ないと説明する。

「人質!?」
「ああ。このホテルの宿泊者全員が人質だ、下手な動きをしたら爆破される」
「ッそんな…!?」

俺にしがみつき震え出す真宙、無理もない。立て続けに起こる事件、タチが悪い。

── ピンポーン

「…ッ(ビクッ」
「大丈夫だ。隠れてろ」
「…(頷く」

俺は真宙を隠しドアに近寄る。インターホンに映る人影はホテルマンか?

「はい」
「お客様の安否確認です、こちらのお部屋には2名様ご宿泊ですね、いらっしゃいますか?」

俺はその《声》を、覚えている。
下手な芝居しやがって…だが今は下手に刺激することは出来ない。約2万人の命が掛かってるんだ。

「ああ、居るよ。問題ない」
「ご確認のためお部屋を開けて頂いてもよろしいでしょうか」
「…………」

緊張が走る。断れば爆破されるかもしれない、顔を見せれば発砲されるかもしれない。近距離で武器も持たずに交わすのは容易ではない。

「………」
(どうする、何か上手い言い訳が…)

「お客様? どうかなされましたか?」
「いや……その、子供が風邪を引いて寝ているんだ。移したら悪いし、だから…」
「それは大変ですね。大丈夫ですよ、外から確認出来ればそれで」

ベッドを振り返るとそれっぽい演技中の真宙がいた。俺は仕方なくドアを開ける、マスクをして顔を隠して…。

「はい、ご確認取れました。そう言えば貴方、どこかでお会いしませんでしたか?」
「さあ、……いちいち会った人の事なんて覚えちゃ居ないよ」
「パパ、お水…ゴホッゴホッ」
「あ、ああ。分かった。もういいだろう、子供が呼んでるんで」
「……分かりました、お大事に」

ドアを閉める。俺はすぐさまドアから離れた。真宙の無事と自分の身を確認する。

「リュウ、大丈夫だった?」
「ああ。だが厄介な事になってる、この2万人の人質計画は……あの時と同じだ」
「あの時? ……ッ遊園地の」
「そうだ。犯人は、同一人物だ」