第53話

最終決戦⑩
氷竜が黒龍に噛み付く


黒龍は悲鳴をあげ爪を振り下ろす


ガキンッ


氷竜の体は氷だった


凍って冷たい体に黒龍は一瞬怯む


しかし再び今度は火を吐いて攻撃する


氷竜は飛んでそれを交わし氷の息を吐く


辺りは氷に包まれた


黒龍に氷の息を吐きかけ炎を受け氷が溶ける


それでも攻撃を止めない


黒龍の足元を氷で固める


動けなくなった黒龍にまた噛み付く


そして鋭い爪を振り下ろす


「ぎぃやあああああ!!!」


悲鳴をあげた黒龍、黒い渦が手の中に出来上がりそれを投げる


氷竜は交わす、壁に穴が開く


ドカンッ!!


外の火は消されていた


黒龍は黒い炎を吐く


それを交わす


氷が黒い炎で溶けていく


氷竜は後ろに回り込み黒龍の首を締め上げる


その時、リュウと真宙は目が合った


リュウは離せと藻掻く黒龍に走り込む


そして心臓部分に剣を突き立てた


ぐさり。グサッ!


「ぎぃやあああああ!!!」


氷竜が離れる


ヤマト達も黒龍から離れる


黒い渦が天井へ登り開いた穴から外へ出ていく


そして黒い渦の中から人が現れた


それは床に落ちて動かない


「………ッ勝ったのか…俺達は……」


その場にいた誰もが武器を落とした


長い戦いが漸く終わりを告げた……


「勝った……」


ヤマトはふらふらと立ち上がりロープを出すと瀕死の男をぐるぐる巻きにした


「……これで……一件落着だね」


疲れきった顔に浮かぶ笑顔に
ナデシコもダツも頷く


そして最後にその視線は氷竜へと向けられた


「……ま、真宙…?」


真宙と呼ばれた氷竜は溶けるようにその姿を小さくし、中から真宙が出てくる


落下する真宙の体を受け止めたリュウはその冷たさに驚くばかりだった


真宙は目を開けないまま小さな頬笑みを浮かべて眠っているようだった…