第12話

Love enemy?
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2020/07/11 08:48
ー無一郎sideー


僕は焦っていた。
あなたが居ない事で焦っていたんじゃない。


彼女が『炭治郎の家』へと向かっていたからだ。
時透無一郎
時透無一郎
嘘だ……なんで?
どうやって……
一応、彼女は知らないだろうけど連れ去った時にGPS、小型ボイスレコーダーをあなたの体内に仕込ませている。


だから、逃げられた時は追える、そう思っていたが──。
時透無一郎
時透無一郎
男の家に行くなんて……予想外だよ
恋敵、という訳だ。


勿論、炭治郎は僕も助けられた経験があるから、排除するのは考えものだけど。


彼に嫉妬したのは何回だっただろうか。


そう考えると、どうしようもない嫌悪感が自分から湧き出てくる気がした。
時透無一郎
時透無一郎
っ……やっぱり、裏切るんだね、あなた
疑心暗鬼な僕は、もうあなたに嫌われたと錯覚してしまった……けど、ボイスレコーダーにはこんな事を録音していた。
佐倉あなた
『ごめんね……無一郎くん』
時透無一郎
時透無一郎
ごめん、って思ってるなら戻って来てよ
と、思ったはいいが、よく考えれば……。
時透無一郎
時透無一郎
もしかして、僕が狂いまくったから?
だから、あなたは逃げた?
頭を冷やしてもらうために?
そう思うと、合点がいった。
彼女は、僕に頭を冷やして欲しかったんだろう。


だけど──あなたがワルイんだよ?
時透無一郎
時透無一郎
頭なんて、冷やせる訳ないよ。
女子ならまだ冷えてたかもだけど、男の所に縋るなんて、さ
もう、遅いんだよ、何もかもが。


僕は、悪くない。


愛に飢えた君を、満たしてあげたかったが故の──。


僕の、行動なんだから。


ーNEXTー
作者
作者
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