第13話

Obsessive lover.8
3,383
2020/07/16 12:12
薄暗い夜の闇の中、ピンポーン♪という軽やかなインターホン音が響く。
佐倉あなた
こんばんは、炭治郎くん
インターホンに向けてそう話すと、彼は急ぐようにして玄関へ出てきてくれた。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
あなたちゃん、大丈夫だった!?
学園にも来なくて心配してたんだよ!?
佐倉あなた
……あ、ごめんね、何も言ってなかった
まぁ……言う機会はいくらでもあった。
携帯機器は取られてないもの。


そう、思ってたら。


ブーッ、と通知音が鳴った。


それでやっと、携帯を持たされていた意味を知る事になる。
佐倉あなた
あ、LINEだ……無一郎くんだろうな
竈門炭治郎
竈門炭治郎
……時透くん?
私の携帯に、通知を知らせるバナーが沢山表示される。


『ねぇ』
『なんで』
『炭治郎の所に』
『行ったの?』
『Muitiroがスタンプを送信しました』
佐倉あなた
っ……!?
それを読んで、私は真っ青になった。
なんで、私が炭治郎くんの所にいるって知ってるの?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
……嘘だよな。
これ、時透くんが?
佐倉あなた
……
炭治郎くんがそう言っている間にも、


『あのさ』
『文句あるなら』
『面と向かって言ってよ』
『生活には何不自由なく』
『させてるよね?』


……と、無一郎くんの暴走は止まらない。
察しのいい彼なら、本当は分かっているはずだ。
『私がわざと逃げた』と。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
って事は、やっぱり、拐かされて──
佐倉あなた
……そうだよ。
だけど、私はまだ、無一郎くんが好きなの、愛してるの──
竈門炭治郎
竈門炭治郎
そうか、だから頭を冷やしてもらう為に……
無一郎くんの愛は偏愛、なのかもしれない。
分かっては、いたけど──。


『どうしたらあなたは戻ってくるの?』
『愛を囁いてあげるからさ……』
『前みたいに』
『好きだよ』
『愛してる』
『だから、行かないで』
『って』
『お願い(´•̥ •̥`)』
『既読スルーはやめて……』


無一郎くんは、顔文字まで使ってあざとさを表現している……。
佐倉あなた
……無一郎くん
どうしよう──無一郎くんは、もう元に戻らないの?
どうしようどうしようどうしよう……!!


ーNEXTー
作者
作者
こういうLINE送って欲しい←?
次もよろしくお願いします!

プリ小説オーディオドラマ