第14話

Obsessive lover.9
3,271
2020/07/20 13:00
「あのね、無一郎くん」
「話を聞いて」
佐倉あなた
……
そう、LINEを送ると……。


『話はちゃんと聞いてる』
『あなたはわざと逃げたんだよね』
『それは知ってる』


そう、返ってきた。
やっぱり分かってはくれているらしい。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
……とりあえず、先に俺の家に入ろう。
外じゃ冷えるよ
佐倉あなた
ありがと
そう言えば玄関先だった。
少し肌寒くて、小刻みに私は震えてしまっている。


……もしかしたら寒さで震えてるんじゃないのかもしれないけれど。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
無一郎くんは、どうしてしまったんだ?
佐倉あなた
分からない……もしかしたら嫉妬をずっと隠していたのかもしれないね
竈門炭治郎
竈門炭治郎
嫉妬?
……多分、かなり私が炭治郎くんや善逸くんや伊之助くんと話してたから。


苛立ったのだろう。好きな人が自分以外の男と話しまくっている、という事実に。
佐倉あなた
無一郎くんは……。
元々ヤキモチ妬きだったから
そう、それは付き合って1ヶ月の時の事。


まだ青くて、白くて、穢れた所なんて何も無かったある日の事だった。


────────────────────────


ー付き合って1ヶ月ー
時透無一郎
時透無一郎
ねぇ、あなた〜。
なんで炭治郎とぶつかった時思いっきり赤くなってたの?僕怒っちゃうよ
佐倉あなた
え、なってないよ〜
時透無一郎
時透無一郎
いや、僕は見てたよっ
ちょっぴり頬を膨らませて、歳相応の顔を見せる無一郎くん。もしかして……。
佐倉あなた
ヤキモチ……?
時透無一郎
時透無一郎
っっっ!!
……わ、悪い?
図星だったらしい無一郎くんは、顔を紅潮させる。
わ……か、かわいい。
佐倉あなた
悪くなんて、ないよ?
……嬉しいかも、なんて
時透無一郎
時透無一郎
あ、そ……っか
お互い俯いて赤くなった顔を隠す。


炭治郎くんは、別に今はもう好きじゃないんだもの。無一郎くん、心配しなくても、
佐倉あなた
大丈夫だよ
時透無一郎
時透無一郎
本当?
佐倉あなた
もちろん。
私は無一郎くんしか愛せないよ
時透無一郎
時透無一郎
そんな言葉……したくなっちゃうじゃん
佐倉あなた
何をww
冗談冗談、と笑った無一郎くんは、綺麗だった。


心も、容姿も、全てが──。


ーNEXTー
作者
作者
白い無一郎くんと黒い無一郎くんのギャップがよき……次もよろしくお願いいたしますっ

プリ小説オーディオドラマ