嘗て広大なこの大陸は、何者にも脅かされない平和な大陸だった。
そして多くの生き物達が生息していた。
しかしそこに人々が入ってきた時、生態系が壊された。
人々は自分達以外の種族を追い出し、何匹もの生き物が殺された。
運良く生き延びることの出来た生物も住んでいた場所を奪われ、逃げるようにして姿を消した。
数年掛け、ついに人間達は大陸全土を支配した。
しかし今度は人間同士で互いに殺し合う、醜い闘いを始めた。
ついには国という大きなグループで争い、支配する・されるという立場を繰り返した。
大陸は荒れに荒れ、人々は生きる事に苦しみ出した。
少しずつ人々が弱体化し始めたその時、タイミングを見計らっていたように人々に追い出された生き物達の復讐劇が始まる。
嘗て大陸に生息していた生き物は、恨みに支配された闇の獣と化し……見境無く人々を襲った。
その生き物を統治していた長、それこそが魔王であった。
魔王の強大な力により、人々は次々と殺され……その一部は魔王の一味と化した。
それから数年後、強大な力を持つ人間が生まれた。
勇者と呼ばれたその人間は賢者と呼ばれた人間と共に旅をし、熾烈な戦いの後に遂に魔王を封印した。
再び人間の物となった大陸は、醜い闘いを繰り返す。
しかしある国に生まれ、強大な力を持った人物が王になった時、長い年月を懸けて大陸を一つに統治し……争いを止めた。
再び平和になった大陸には嘗て生息していた生き物達が少しずつ戻り、人々は彼等と共存する事を決めた。
人々とは違う種族の生き物達もそれを受け入れるようになった。
そして人々もその他の生物達も自然の加護を受けながら、平和に生活をするようになった。
それから数年が経過したその時。
大陸を1つにした伝説の帝国、流星(ミーティア)大帝国で事件が起こる。
元魔王一味に関連すると推測し、対抗し得る力を持っている新たな勇者を探そうと立ち上がった者、それこそが……大陸防衛(たいりくぼうえい)協会直属『独立最強機密(どくりつさいきょうきみつ)部隊・流星』――。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!