〜あなたの下の名前side〜
体育が終わって茉耶とえみりちゃんと更衣室に戻りえみりちゃんと別れた直後、茉耶が急に真剣な顔をして話しかけてきた。
え、なに急に何か怖いんですけど...?
しかも教室じゃなくて屋上で話ってなんで?
いつもの柔らかな笑顔を浮かべることも目を合わせることも無く茉耶はただ私にポツリと言葉をこぼす
そう聞くと茉耶は少しこっちを見たと思うと気まずそうに目を逸らした。
なんか、言いにくそう、、?
私は頭の中でえみりちゃんの行動を思い返した。
確かに紫耀にボールを拾ってもらった時、明らかに照れてた。私もあの時違和感を覚えた。でも気のせいだって流した。そこに触れるのが怖かったから。
不安そうにわたしの方を見ながら話す茉耶の心を安らげるために、私は茉耶の手を取った。
そう言って茉耶と屋上のドアに向かって歩き出すと...
バンッ
紫耀たち6人は余程全速力で走ってきたのか半端じゃないくらい息切れしてた。
え、なんでここにいるの?笑
マジでなんやねん私の匂いって...
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。