昔々_______
世界にいたのはアダムとイブの2人だけだった。
2人は仲良く暮らしていたが、ある日2人は神の言いつけに背いて「禁断の果実」を口にしてしまう。
2人が犯した「神に背いた罪」は彼らの子孫_____人間に引き継がれた。
だから人間は生まれながらにして誰でも罪を背負っている。
人間は神に背かずにはいられない。
だから
_________人間は誰しもが罪人で、誰も悪くない。
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私は廉と2人で華やかに装飾された廊下を歩く。
廉がニコッと笑い、つられて私も笑ってしまった。
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私は眼下に広がる純白のフリルに思わず声を上げた。
に……似合ってるかな?
すこし重くて、だけどフリルがたくさん付いてとても可愛いドレス。
何時間も悩んでやっと選び抜いたお気に入りのものだった。
廉は……なんて言ってくれるかな。
緑のワンピースに身を包んだサナがやって来た。
髪をアップにして濃いめの化粧をしたサナはとても綺麗だった。
そして、その左手の薬指にはしっかりとリングがはめられていた。
廉ともう1度結ばれてからさらに5年_____
廉とはあの後から付き合うようになって、遠距離とは思えないほどラブラブしていた。
そして、1年前にプロポーズされた。
デートの帰り道に「結婚する?」って当たり前のように言われて、一瞬何が起きたのかわからなかった。
だけど、その後に廉が差し出す指輪を見て涙が溢れた。
私……こんなに幸せでいいのかなぁ……
初恋が叶った。
ずっと好きだった人からプロポーズされた。
きっとあの瞬間、ううん今も私は誰よりも幸せだ。
そして、今日は私と廉の結婚式です!
サナも自分で幸せを掴んでいる。
私も今とても幸せ。
……そろそろ会ってもいいのになぁ。
私の________
私の大切な人___________
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!