禁断の兄妹は_______
____________________
サナの友人代表のスピーチに私はうるっとした。
サナ……私が唯一本当の友達だと思える人。
我慢ばかりの中学生活だった私は友達なんて信じていなかった。
だけど、いつでも元気に話してくれるサナに私は何度も救われたんだよ。
サナと友達になれてよかった。
私の自慢の「親友」だよ。
"まい"
"まい……好きだよ"
"まいの泣き虫〜"
"まいにプレゼント"
"まい愛してる"
無駄なんかじゃなかった。
叶わなくても報われなくても。
お兄ちゃんと愛し合った日々があるから、今の私がある。
だから……絶対にあの恋は無駄なんかじゃなかった。
私の人生をかけた恋は、私の中で生き続けている。
会えてよかったよ、お兄ちゃん。
お兄ちゃんに「結婚おめでとう」って言われて嬉しかったよ。
もう一度……話すことができてよかったよ。
やっと……
やっと、ずっと心のどこかで守り続けていた想いを捨てることができそうだなぁ。
お兄ちゃん、大好きだったよ________
___________________
私は、とても幸せだ。
私の周りには大切な人がたくさんいてくれる。
だけど、私はそれがあたりまえではないことを知っている。
人生に絶望して、世界が真っ暗になるときもある。
だけど、きっとその暗闇はずっとは続かない。
人生で無駄なことなんて1つもない。
いつかきっと、あの日々があってよかったと思える日が来る。
だから精一杯「今」を生きよう
世界はきっと思っているよりも悪くない
私は、付箋を花束のブーケに添える。
『生きていてよかったよ』
“俺がまいに、「生きててよかった」って思わせてやる!“
そして私は、どこまでも続く真っ青な空にブーケを投げた。
《END》
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。