この世には罪が溢れている。
刑務所という監獄に囚われている人だけが罪を犯しているわけではない。
みんな、見つかっていないだけ、
秘密にしているだけ。
秘密にしていれば、罪だと咎められない。
じゃあ、この罪は?
私たちの罪は、秘密にしている限り、罪ではないのですか……?
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《まい》
起きたのはすぐだった。
もともと、本気で寝ていたわけじゃなく、横になってたら眠くなったって感じだった。
お兄ちゃんが階段を降りてくる音もどこか遠くで聞いていた。
その足音が私のすぐ近くで止まる。
床で寝ちゃってるしな。
そろそろ起きようかな……
そう思っていた時だった。
少し服が擦れる音がしたと思ったら。
ギュッ……
背中が温かくなった。
これは体温?人の感触?
あ……私……
お兄ちゃんに抱きしめられてる?
どうしたんだろう……?
お兄ちゃ……
お兄ちゃんの手が後ろから伸びてきて……
わ、私の胸を揉んでる!?
え!?どうして!?
ゆっくりと、でも確実に私の胸を揉んでいる。
……何この感覚。
ムズムズするというか、ウズウズするというか……
声出ちゃいそう……
お兄ちゃんは私のキャミソールを脱がす。
ま、待って……
見えてるよぉ……
でも、私寝たフリしてるし……
今さら起きてたなんて言えないし……
お兄ちゃんは私の乳首をつまんだり、コリコリと動かしたりする。
ダ…メ……それ。
変な感じがする。
もっと……してぇ……
あ……声出ちゃった……
でも、もう……
変な気分になって……
我慢できないよぉ
お願い、気づかないで……
私は寝てるの。
だから、何も知らないよ。
雨音がうるさい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。