第141話

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2022/08/03 12:58


《まい》


まい
ね、ねぇ……廉??
なに……?
まい
い、いつまでこうしてるの……?

廉はずっとわたしを抱きしめたまま動かなかった。

う、嬉しいんだけど……さすがにここ外だし……ね??
ちぇ、まだ足りねーよ

廉は不服そうだけれども、私を離してくれた。

まい
っていうか、ホントに彼女いなかったの?
マジだよ
っていうかまい以外彼女にしたくねーし
まい
……っ!
ま、待って待って……心臓が……

さっきから廉、ヤバいことしか言ってないよ!?
こっちは何年も思ってきたんだぞ
絶対、二度と離さねー

廉はそう言うと、私の手を握る。

温かいその手は私が5年間ずっと欲しかったものだった。

廉……

なんで……そんなに私のことを好きでいてくれるの……?

私は何度もあなたのことを裏切り続けてきたのに______
まい
廉は私なんかのどこが好きなの……?
最初はかわいかったから
まい
えっ!あー……うん
不満そー!男なんてそんなもんだよ
でも、見てるうちに優しいって気づいて、遊ぶようになってからはホントにすげー楽しくて
でも、お前ホントずるいよ
手に入りそうになったら避けるし、身体許したと思ったら振るし
まい
うっ!ご…ごめん……
何度も……お前のこと嫌いになりたかったよ
でも……なれないんだよ
まい好きだ
まい
……っ!!?


廉の不意打ちの言葉に私の心臓は飛び跳ねた。

ドキドキと心臓が鳴りすぎて、手まで震えてしまう。

ダメだって……廉にバレちゃう……

まいが最低でも、俺はまいが好きだよ
なぁ、まいは?


ずるいのはどっちだよ……

そんなこと言われて、誰がこれ以外の言葉を言うの……
まい
……私も好きだよ


小さな私が抱いていた、ほのかな想いがやっと叶った。


少し成長した私が、言いたくても言えなかった想いが実った。


そして大きくなった私が忘れられなかった想いが今ここにある。


まい
廉のこと……忘れたことなかったよ
まい
私の初恋は廉だよ


私は笑顔でそう言った。

言いたくても言えなかった想いをやっと言える。

私はもう……我慢しなくていいんだ……。
はぁ……ほんとずるいお前
今、こっち見るなよ
まい
えーなんで〜?
ニヤけすぎてださいから……


もう!ホントに今日の廉はヤバいことしか言わないんだから……!








私と廉は手を繋ぎ合って、星空の下を歩いた。









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