第12話

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2020/08/06 10:22

《まい》


まい
はぁ……

私は大きなため息をつきながら、机に突っぷす。

今は放課後。

私は教室に残って勉強してる。

3日前お兄ちゃんとヤってから、何だかお兄ちゃんとすごく気まずいの。

お母さんがいる前では普通なんだけど、2人っきりになると何だか私のこと避けるし……

いつもは手を握ってくれたりキスしたりしてくれるのに、ここのところ一切ないし……

私、お兄ちゃんのこと怒らせちゃったのかなぁ?

……お兄ちゃんとケンカしたままなのヤダな。

なーにため息ついてんの
まい
いたっ!
頭をノートで叩かれる。

こんなことするのは〜
まい
レン!なによ!?

廉__橋田 廉はしだ れんは私の男友達。

小学校からの付き合いで、小学3年生から中学3年生までずっと同じクラス。

えーっと、7年の付き合いになるのか。

よくイジワルしてくるし、私のことをバカにしてくるけど、1番信頼してる友達かも。

そんなに勉強できないのかー?

廉は私のワークを覗き込んでくる。

小学校の頃は私の方が背が高かったのに、今ではすっかり抜かされちゃった。

まい
そんなんじゃないよー
じゃあ何だよ?

廉は私が座っている席の1個前の席に座る。

こういう時は、私の話を聞いてくれるときだ。

遠回しに話を聞いてくれようとするの。
まい
……廉はさ
まい
好きな人に避けられたらどうする?
お前好きな人いるのか?

廉の言葉に私の顔が熱していく。
まい
ち……ちがっ!
友達が悩んでて……
ふ〜ん

廉はニヤニヤと私の顔を覗き込んでくる。

絶対疑ってる!

もう!イジワルなんだから

でも、私の好きな人はバレるわけにはいかないの。

オレは、避けられても話しかけ続けるよ
まい
そう……なの?
だってさ、好きなら毎日だって話したいし!それに、相手に避けられたからってこっちも避けたらいつまでだってそのままだし
まい
……
意外としつこく話しかけられて心が動くことだってあるし

……そうだよね。  

廉の言うとおりだよ。

お兄ちゃんに避けられるからって私も避けてちゃいけない。

私から話しかけないと。

仲直りしないと。

だって、私はお兄ちゃんが大好きだから。

誰にも言えないけど、隠すしかない想いだけど。

それでも……好きなの……。
……だからさ

廉は私の頭をクシャッと撫でる。
頑張れよ
まい
と……友達の話だよ……

廉はわかってるんだろうな。

私が嘘ついてるって。

でも言わないでいてくれる。

そんな不器用な優しさが大好きだよ。

ずっと私の「友達」でいてね。
まい
……私行ってくるよ!

私は立ち上がって、ワークやノートをかばんに詰める。

こうなったら善は急げだ!

はやくお兄ちゃんと話したい!
まい
ありがとう!廉!
バイバイ
……ああ

私は廉の顔を見ずに、教室を飛び出した。




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