ストーリーの雰囲気を壊したくないのでここで言わせてもらいます。
いよいよ次回,最終回です‼︎皆様の想像している展開とは違う形になると思いますので楽しみにしていただけたらと思います。
あと,今回超絶長いです,4000文字近いです,すいません汗
それでは,本編どうぞっ‼︎
〜〜
ピッ
改札を出て,周りを見渡す
辺りは全部,ビル,ビル,ビル………あ,あれはホテルか,高そう
………東京久しぶりに来た,やっぱ怖い
ってか徹に地図送られてきたけど,もしかすると迷って行けないのでは???
………いや,もしかしなくてもそうじゃん,どうしよ
ブブーッ,ブーッ
スマホを取り出そうとしたら丁度鳴った
……あれ,岩ちゃんじゃん
『 えぇ,? 』と呟きながら後ろを振り向く………と
歩いてきたのは,昔懐かしあのメンツ
………相変わらずでかいな,あと無駄にかっこいい
そうして,なんとか体育館にたどり着いた
………うわぁ,でっっっか
会うとかなんだとか言ってたけど……まぁ試合前だし無理,か
…………日本代表とアルゼンチン代表なんだし
トスン
先に着いてから,一息つく。
コンビニで買ってきたコーヒーを片手にスマホを開いて立ち上がる
パシャ、パシャと写真を撮っていく………コートの広さを参考にするためだ
私は行ったことがないけれど,恐らく春高の広さもこれくらいだろう,渉くん達に見せないと。
誰かが大きな声をあげた,スマホ越しだったからどの人かわからない……でもコート内から聞こえたのは確か。
探してみると懐かしいオレンジ頭が目に入った
なぁんだ,日向かww……少し声低くなってる
ふふっ,小声にしてるつもりなんだろうけど丸聞こえなんだよな〜笑
彼は手足をバタバタと振りながら焦っている
…………これはもういいよね⁇よし,
すると日向は監督に呼ばれて行ってしまった,どうやらレギュラーを頼まれたそうだ
……すごい,頼られてるんだなぁ,世界にも通用するんだ
まぁ,あの頃から日向は人と違ったもんね,笑笑
……すると,日向がこっちの方を向いて口パクで喋りかけてきた
“ おいかわさん “
そう言って右の方を指差す,なんだろ,アップかな
右の方に視線を移す
ドゴンッ‼︎
えっ……と……
人間……じゃないのかも……
徹はボールを手に取って息を吐く,するとこっちに気づいて,さっきとは一変した笑顔になる
ピッと笛がなって選手達が整列する
ピッピーッ
〜〜
試合割愛🙇♀️🙇♀️
〜〜
結果は,すごく僅差だけどアルゼンチンチームが勝利した
日向のチームは,それぞれとても強みがあって,それを活かせていたけど
徹のチームは慣れがあって,少しのミスじゃ点に変えられていて
………だからそんなチームで力になれているっていうのはほんとに凄いことだと思う,徹も,日向も
徹は汗をタオルに滴らしながら真っ直ぐ前を見ている
……なんだか放心してるみたい
なんていうか……ね⁇
えこれ私が期待しすぎなだけなのかな⁉︎…なんてゆーか,ちょっとだけ会話したいな,みたいな
飛行機の時間も結構遅らせたし……
また下の方に視線を移すと,
“ 外で待ってて “
…………よかった笑笑,ってなに言ってんだ
“ わかった “
そう言って心を落ち着かせる
なんか適当なお別れになったけど,どうせすぐ呑むんだろうな,笑笑
そのまま席を立って,私は出口に向かった
〜〜
夜の10時,辺りは少しずつだが静まっている
徹を待っているとタクシーから仲の良さそうなカップルが降りてきた
………大人っぽいな,と言っても私と同い年くらいかな
幸せムードを撒き散らしながら二人は腕を組んでマンションに入っていく
………………………いいな。
………でも,私もそろそろやばいのかなぁって最近思う
だって28だよ⁇周りは結婚だのどうこう言ってるけど私なんて付き合ってる人すらいない,恋愛もしてない
そろそろ,作らないとやばいのかなぁ
けど,婚活とか……はなんか違う気がするし
ウィーン
…あぁ,飛行機か
そうだよ,なに私浮かれてんだろ,徹はもう世界のプレイヤーで,世界で戦ってる人なのに
これじゃただの,迷惑だよ
背を向けて歩き出そうとした瞬間,
呼び止められた
もう一度振り返ると徹は少し目を逸らし頭をかいていた………頬も少し赤く染まっていた
…………もしかして。
…
……そんなストレートに言われるのは想像つかなかった
あ,やばい,なんかOKしそう,このままじゃ
絶対顔赤いし………。
顔を左に背けながらそう言った
なにこの高校生に戻ったみたいな空気感,こんな大人になってまで大恋愛するんだろうか
………でも,この感じ久しぶりだ
なんだろ,フワフワする,あんな幸せな頃もあったなって,感じて…………
…
……なんだ,私の方こそ女々しいじゃん
すると徹は私を見ながら急に笑い出した
画面上にピコンッと,通知が来る
アイコンは徹の試合中のもので,やっぱりかっこいい
私はというと,服を買った時に撮ってもらったようなものだから,正直恥ずかしい
………まぁでも,徹だしいいか
夜遅くに,二十代後半の大人二人が馬鹿みたいに笑いあってる
………いい,これでいい,私達はこれがいい
“ 過去を見るんじゃなくて,今を作ろう “
その一言が胸の奥にじんわり染みて,暖かい
満月の夜に歩き出した私達の右手と左手は,自然と繋がれていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。