白鳥の先導者と出会ったあの日から,早二ヶ月
あと二週間で,代表決定戦
あと四回,
あと四回勝てば,宮城県代表
今日は久しぶりのオフだったから,起きたのは8時過ぎ
ピコンッ
わお
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さっき,国見君にバレーの練習をしたいと言われて
公園に来た
体育館に行きたかったけど,バスケ部が使ってたので駄目だった…
今日も国見君のずるさは安定でした
嗚呼,影山か
…
…
わ,なんか名言みたい
悔しそうな顔で右手に抱えてたボールに力を込めた
ねぇ,国見君
バレーは,そんな恐ろしいものじゃない
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国見𝑠𝑖𝑑𝑒
ずっと口を閉じていたあなた先輩がいきなりそう言った
…
嗚呼,始まった
嗚呼,
俺はこの人の眼中に1mmも入ってないんだな
先輩は馬鹿だ
俺が前のあの日に,卒業するまで好きでいさせてって言ったのに
好きになられてる奴の前で他の男の話をするなんて
いや,そうじゃないな
俺が本当に嫌なのは,
“ 俺の知らない先輩の存在 “
主将の及川さんは知ってる一面を,俺は知らない
こんなに悔しいものがあるものか,
俺も,先輩と同い年で,幼馴染だったら
この気持ちを,実らせることができたのかな
嗚呼,心底羨ましい
けど,もう無理だから
俺は嘘を吐いた
バレーを練習したいなんて,嘘に決まってる
この気持ちが実るのなら,どれだけ幸せかと思うし,願ってる
でももう無理だから,100%無理だから
貴方の幼馴染が知らない貴方の一面を知っていたいんだ
今度,及川さん達にあったら,目の前で会話する振りして自慢してやろうって
俺,性格悪すぎだろ
いきなり脳を刺激するような声が聞こえたから,振り返ったら
黒いジャージを羽織っている奴が立っていた
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更新遅くなって申し訳ないです💦
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。