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第7話

«元»死神の贖罪
 次の日、彼女は来なかった。

その次の日、彼女はやっぱり来なかった。

彼女に『明日』は来なかった。

二度と彼女に会うことがないまま、僕だけが大人になった。

簡単なことだ。

彼女が死んで、それでも僕は生きていた。

何も無かったように秒針は回り続ける。

あの日、彼女に嘘をついた。

最初で最後の、嘘。彼女を悲しませないためなのか、僕が彼女の悲しむ顔を見たくなかったためなのか、はたまたその両方か。

そんなことは、もうどうでもいい話だ。

僕はひとり、ブランコに腰掛ける。雪が溶けたせいで足元がぐずついていた。前、後ろ、前·····そんなふうに膝下を動かして体重移動をする。

僕に『明日を見る力』は無くなった。

彼女と会えなくなって、しばらくしたらそんな夢も見なくなった。

だから僕に残されたのは、彼女に語らなかった真実だけ。

「死」を告げるなんて、あの幼い僕には残酷すぎた。いや、きっと今でも無理だ。

そんなふうにきちんと役目を果たせなかった僕を、神様は見捨てた。

勢いに乗ったまま、あの日の彼女との同じように飛び降りる。スタッと軽い音の割に、足の裏からジンジンとした痛みが走った。

成長って怖いな。

あの頃、出来ていたことができなくなる。出来なかったことができるようになる。

想像していたより、ずっと簡単に夜を乗り越えられるようになった。

「未莉··········」

呼べなかった名前が、空中をただよう。行き場が、ないんだ。ほんとに。


またいつか、出会いたい。

レールの先が長くないことを知りながらも、明日を待ち、一生懸命に生きた女の子。
最後の最後まで学校にもちゃんと通って、部活もしていた。マネージャーとして部員を支えていたらしい。友達の友達伝いでそんな事実を知った。

みんながみんな幸せな明日なんかない。

元々存在しないんだ。見える、見えないに関わらず。

明日が来ることに怯えていた僕。

明日が来ないかもしれないと怯えていた彼女。

秘密を共有した夜。

思い出すと、なんだか切ない。

モノクロの空に光が差した。

幾度も切なさをこらえたのち、希望に満ちた朝が来る。










〜Happy End?〜