第3話

2
15
2024/02/27 01:00
私は右大臣家の長女。

年は15になりました。

名前は…お教えできませんわ。
女性貴族の名前を知っても良いのは親と夫婦めおととなる殿方だけですから。
私の運命さだめは東宮様のもとへ嫁ぎ、ゆくゆくは中宮(天皇の正式な妃)となること。

その為、幼い頃から楽器や読み書きなどたくさんの習い事をしておりました。
そして、私は数日後に行われる東宮様の成人の儀が終わり次第 弘徽殿  こきでん(宮中にある妃の住まいのひとつ)に入内じゅだいすることが決まっているのです。

我が右大臣家と左大臣家は長年、権力を争い続けておりました。

左大臣家にも年頃の姫君が2人いるそうで、そのうちの大君(貴人の長女の敬称)が入内じゅだいなさる予定だったらしいのですが…

噂によれば大君は別の貴人の北の方(正式な妻の敬称)になられるのだとか。
父上はこのことをたいそう喜びました。

左大臣家の大君の入内じゅだいが取りやめになれば、私が東宮様の寵愛ちょうあいを受ける可能性が高まるわけですから…。
父上は、
右大臣
貴方の亡き母上が守ってくださったのだろう。
母上はずっと貴方の未来を案じておられたから…。
と言っておりました。

父上の北の方であった私の母上は私が3歳の頃に亡くなりました。

その後、父上は他の北の方を迎えることはなく、一生懸命私を育ててくれました。
私はそんな父上を尊敬し、父上のような人になりたいと思っております。
父上のため、必ず東宮様の寵愛を頂戴してみせます。





プリ小説オーディオドラマ