びっくりしたような顔で振り向く
いたって気づかなかったのだろう
さとみくん来てくれて助かったかも(;´・ω・)
「そういえば、そろそろ文化祭だな」と、さとみくんが口を開く
莉犬くんから、私がコスプレ喫茶やることを聞いていたらしく、
別れ際に
「るぅとは、アニキャラ好きだから覚えておいてね」
と、耳元で教えてくれる。
なんのキャラが好きかは分からないけど…。
文化祭まで
あと、2日
るぅとくんの誕生日まで
あと2日
最後はどう祝おうかな
「大好き」「愛してる」
そんな言葉は1度も出ない会話。
それだけが私達の会話とは言わないけど、
さりげなく言ってくれたっていいじゃん…
《るぅとHOME》
言って欲しいって何を?え?
もしかして、思ってたこと口に出ちゃってた…!?
そんなこと、私に限って……
……ありそう
「口に出てた?」ときくと、「バッチリ」と答える
そうなら言ってくれればいいのに!バカ!
そういってすぐに小馬鹿にしてくる
しかもめっちゃ(*`・ω・´)←みたいな顔してくるしww
床に座って、ブカブカのパーカーをきたるぅくんが目の前に居る
その姿なんて直視できないけど
でも、気持ちだけは伝わってると思う
多分それだけで十分だから、バカにされても気にしない…のかな?
戸惑っていたら、るぅくんが階段を上がっていく
多分取りに行ってくれたんだろう
静かになった1階を見渡してみると、
男子の部屋だなぁ…と、改めて思う
るぅくんの家には小さい頃から入っていたから、他の人よりは慣れてるものの、
この感覚は慣れてはいけないと思う
だから帰ることにした
「用事が出来たから帰るね、急にごめん」
1階から二階にいるるぅくんへ声をかける
「…気をつけてね!明莉!」
そう、返される
この先のこと、ずっと考えていたら、誰かに声をかけられた
そう、前置きを置いて留学の話を持ち出す
予想通り、莉犬くんはびっくりしていた
でも、少し考え込んで口を開く
「るぅとくんのことは任せておいて!」
この一言だけ。
莉犬くんに聞いた私が馬鹿だったかな( '-' )
莉犬くんとそこで別れて、自分の家へ向かう
あと5ヶ月、5ヶ月でさよならか…
まずは明日、楽しまなきゃ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!