ある休日の朝。広行が坂本家の下にいて、美代の部屋に石を投げた。
文句を言いながらも下に降りていき、
相変わらず進まない2人のままらしい。
ものすごく嬉しそうな顔をするあいつ。
と、背を向ける。
その一言に森田家のひろみが、反応した。
なぜだかそばにいた博美さんが、ひろみの顔を見て・・・
今までにない複雑な顔をしている。
彼のことをちゃんと詳しく聞いていない。
そういえば最近姿を見ないような?
不良とかなんとか言ってたりもしたけど・・・。彼は一体・・・
その会話を慎二も聞いていた。
そう、そのまさかだった。
広行が、美代を連れて行ったのは紛れもなく病院であり・・・
そこにはいろんな機械で繋がれて眠っている武尊がいて・・・・
武尊は答えてくれない。
そして・・・
坂本家のみんなが森田家のみんなに連れてこられ、全員集合。
武尊はもう少しの命だったのだ。
美代は、迷わず武尊の手を握った。
ちゃんと説明してくれれば私だって・・・・
今日は調子がいいのか少しだけ起き上がれるみたいだ。
そう言って2人きりにしてくれた。
私も、武尊のこと・・・
それから武尊は、眠りについてしまった。
こんな気持ちのまま試合に挑めるわけ・・・・
だからそれまで生きていて!
絶対絶対!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!