第34話

全てはソコから
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2021/06/27 03:37
最初のゲートが開く前
俺はボーダーの存在も知らなかった

ただその日は昨日と同じようにして
明日もその繰り返し
それの連続だと思ってた

昨日と違ったのは学校に残って
帰るのが遅くなって──
貴方「ヤバイ、圭也けいやが拗ねる.......」

圭也「兄ちゃん遅い!」

貴方「ごめんて
   兄ちゃんの方が学校長いから
   しょうがないだろ?」

圭也「僕が勝つまでゲームして!」

貴方「はいはい」
いつもと似たような会話をして
笑って、怒って

これからもそれが続くと思ってた
母「あなた、お買い物行ってきてくれる?」

父「それなら僕が行こうか?」

母「あなたは私の方を手伝って欲しいの」

圭也「母さん!今僕が兄ちゃんと遊んでるの!」

母「お買い物くらい直ぐ終わるわよ」

貴方「じゃあ一緒に行こうか」

圭也「僕着替えてくる!」

貴方「外で待ってるぞ」
2人部屋で、隣の部屋と近い場所にあったんだ
貴方「圭也?まだ──」















吹っ飛ばされた衝撃と酷い耳鳴りだった
体中痛くて、地面に伝わる振動で目が覚めた

見渡すと何もなかったはずの道に
瓦礫や、血溜まりや
見たこともないようなモノがいた
貴方「何が、起きた……」
俺がいた場所は通学で通る道だった
家に帰ろうとしたけど
自分でも分からないような痛みと
捻れた足で上手く歩けなかった
「おい、大丈夫か?」

貴方「離してください、帰らなきゃ.......」

「とりあえずおれと行こう
 このままじゃ、お前死ぬぞ」

貴方「圭也が、待ってるんだ.......
   俺が、行か、なきゃ.......」

「ごめんな、おれにはわかるんだ」

貴方「何言って──」
そこで意識が途切れた
────────────────────────
三雲「あの、そこで竜闇先輩が出会ったのって」

迅「あぁ、おれだ」

貴方「迅を振り払って行こうとしたからなぁ」

空閑「それでその後どうしたんだ?」

迅「市街の病院は手一杯だったからな
  おれがボーダーに連れてったんだ」
────────────────────────
目が覚めた時にはほぼ全てが終わってた

あの日から結構時間はたってたと思う
世間はボーダーについてもちっきり
俺も関係者から大まかな話は聞いた
貴方「あの、俺の家族は
   街の病院にいるんですか?」

「君の御家族は──」

「後はおれがやるから、戻っていいよ」

「わかりました、失礼します迅さん」

貴方「迅?」

迅「おれの名前だよ、迅悠一
  怪我の調子はどう?」

貴方「家族に合わせてください」

迅「.......」

貴方「どこにいるんですか」

迅「.......」

貴方「ッ、応えろ!」
 迅が言わないでくれているのはわかってたんだ
なのに信じたくなくて
迅「!」
 (ここで確定!?)
 「待っ──」
迅が腕を掴もうとしたが
それよりも速く俺は病院の窓から飛び降りた

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