第25話

プチパーティー
2,007
2021/05/17 07:22
支部に退院した連絡が入り
小南はソワソワしていた
小南「早く来ないかしら」

レイジ「心配しなくても大丈夫だろう」

貴方「まぁそろそろ着くだろ」

烏丸「そうっすね、どうせ迅さんがいますよ」

貴方「『ご馳走があると
   おれのサイドエフェクトが言っていた』
   とか言いそうだな」
雑談ばかりだったが
修たちが帰ってきて一気に騒がしくなった
三雲「豪華ですね」

レイジ「一般的な家庭料理だと思うが」

貴方「そうそう、修はもっと食べて力つけな」

宇佐美「千佳ちゃんまた白米ばっかり」

雨取「美味しいです」

空閑「美味いなこれ」

小南「あたしの力作よ」
話を聞くと修が寝ている間に
ボーダーの人達がお見舞いに来たらしい
貴方(どうせなら、他の奴らも誘うべきだったかな)

三雲「先輩?」

貴方「ん?あぁ、どうした?」

三雲「いえ、ぼーっとされていたので」

貴方「そうだな、他の奴にも
   声かければよかったかもな」

三雲「ですね、何だか大勢に来てもらったみたいで」

貴方「ボーダーでは、多分.......珍しいと思うよ」

三雲「?」

貴方「ただの戯言」
時間もあっという間に過ぎ
修たちは帰っていった
貴方「レイジさんたちは朝から任務だろ?
   片付けやっとくから先に上がっていいよ」

小南「言い出したのはあたしだし
   片付けくらいやるわよ」

貴方「そう言って、トリオン体だから
   平気って思ってるだろ
   生身がダメじゃ換装も意味ねーよ」
報告書を書く時
うだうだする小南が目に浮かぶ
貴方「今度なんか手伝ってくれれば
   それでいいからさ」

レイジ「なら、言葉に甘えよう」

烏丸「ありがとうございます」

小南「あなたも早めに寝るのよ」

貴方「わかってるって」






食器も洗い終わり
あらかた片付けも終わってきた

食事の残りをしまった

扉を開ける音が聞こえ言葉の後に目を移した
貴方「まだ起きてたのか?
   片付けなら大丈夫だって──」

「.......」
玉狛の誰かとは思ったが
隊員ではなく
大規模侵攻で迅が足止めをした近界民だった
貴方(名前は確か.......)
  「ヒュース、だっけ」
機嫌を損ねたのか
睨んだあと出ていこうとした

グゥゥゥゥ

気の抜けるような音がした
貴方「ブッあははははは」

ヒュース「貴様、何を笑っている!」

貴方「あーごめんごめん
   あんな腹の音、聞いたこと、ないからっ」
ヒュースは依然睨んだままだ
貴方「よかったらこれ食えよ
   余り物だけどまだあったけーから」

ヒュース「.......」

貴方「食わねーと身体がもたねーぞ
   ここ置いとくからな」

ヒュース「.......お前は
     捕虜に対して考えが甘すぎる」

貴方「そーだな」

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