第35話

少しの救済
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2021/07/02 12:02
壁を伝って家があるはずの場所まで走った
貴方「そんな.......」
あるはずの家はそこになかった
隣の家が倒れ込んでて
俺の家は潰された状態だった
貴方「嘘だ、なんで.......」

「あーあ、無理しちゃって、こりゃ響くぞ?」

貴方「.......迅さん?」

迅「呼び捨てでいいよ、時期にそうなる
  それに言ったろ、おれにはわかるんだ」
迅の眼は今でも忘れない
俺の弱さも、どっかにあった臆病さも
全部見透かした様な眼だった
迅「帰るのか?」

貴方「もう、その場所はない
   守りたかった人も──」

迅「可能性はある」

貴方「.......?」

迅「君の選択次第だけどね」

貴方「.......」
ひとまず俺は迅とボーダーに戻った
治療を受けて完治するまで
ボーダーに居させてもらった

完全に動けるようになったのは
それから1年くらい──今から3年前だな

ボーダーの上層部に呼ばれて
迅の言う「選択肢」が設けられた
城戸「よく来てくれた
   私がボーダー最高司令官の城戸だ」

貴方「どうも」
  (迅も上の方の人間なのか)

城戸「早速だが、検査の結果
   君には膨大なトリオン量と
   サイドエフェクトがあった」
一通りの説明があった後
俺に質問がきた
城戸「迅から話は聞いている
   君には2つの選択がある」

貴方「.......」

城戸「1つはボーダーの管理の元
   定期的にトリオンに関する検査を
   受けてもらうこと
   もう1つはボーダー隊員になることだ」

貴方「ボーダー管理の元というのは?」

城戸「先程説明したように
   こちらの世界に攻めてきている
   近界民ネイバーはトリオンが高い人間ほど狙ってくる
   君の安全のためにも
   ボーダーに身を置く方がいいと考えたまでだ」

貴方(トリオン量にサイドエフェクト、か.......)
  「なぁ迅、お前の言う可能性にかけるぜ」

迅「もちろん、後悔はしないしさせないよ
  おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
その一言で俺の答えは出た
城戸「決断は今でなくとも──」

貴方「決まりました、俺はボーダーに入ります
   条件、と言ってはなんですが
   迅と同じ場所の.......えっと玉狛支部?
   ってことろがいいんですが」

城戸「.......もちろんだ、協力感謝する」
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貴方「ってな訳で俺はボーダーに入隊しましたー」

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