俺は本部に寄り軽く休んでいた
自分の話をしておきながら
帰る気分にはなれなかった
「あれ?あなた?」
「こんな所で何してる」
「玉狛に帰ったんじゃないのか?」
ベンチに座っていると
横から太刀川さん、風間さん、迅が歩いてきた
貴方「迅の方こそ.......仲良くぽんち揚げ?」
太刀川「ほれ、お前も食え」
貴方「そりゃどーも」
俺は太刀川さんから
ぽんち揚げを貰いながら話を聞いた
貴方「お、城戸さんも遊真の入隊を認めたか」
迅「まぁ、太刀川さんや風間さんの
おかげでもあるかな」
風間「A級上位の俺達を派手に蹴散らすことで
風刃の価値を引き上げたということか」
俺は新しいぽんち揚げをかじりながら言った
貴方「俺はドンパチすんのが楽しいけど
理由がこれじゃぁ気が引けたなぁ」
迅「玉狛に新しく入った遊真ってのが
結構ハードな人生おくっててさ
おれはあいつに「楽しい時間」を
作ってやりたいんだ」
風間「いまいち理解できないな
そんな理由で争奪戦であれだけ執着した
黒トリガーを手放すなんて」
気が引けた理由はそれにもある
迅の師匠である人の黒トリガーを本部に渡した事だ
迅は大丈夫そうに振舞っていたが.......
迅「あ、そうそう、もうひとつ
おれ黒トリガーじゃなくなったから
ランク戦復帰するよ
とりあえず個人で
アタッカー1位目指すからよろしく」
太刀川「そうか、もうS級じゃないのか
そういやそうだ
お前それ早く言えよ
何年ぶりだ?3年ちょっとか!」
太刀川さんが迅と俺の肩を掴みながらはしゃぐ
太刀川「よしあなた
お前もランク戦付き合えよ!
2人とも俺が倒してやる!」
貴方「強気だねぇ太刀川さん
俺に勝ち越した事ないくせに」
太刀川「それはお前も同じだろ」
貴方「トータルじゃ俺が勝ってんの!」
俺と迅は暗い夜道を帰っていた
迅「あなたはメガネくん達と仲良くなれそうか?」
貴方「.......楽しい奴らだよ
なぁ迅、いつも言ってるだろうけどさ
最悪になりそうだったら、いつでも俺を使え
俺が死んでも未来を変えてやる」
迅「お前が死ぬことだって最悪に繋がるんだ
ただでさえサイドエフェクト抱えてんのに
詰めすぎると体が持たないぞ?」
貴方「そうでもねぇよ
ふうz.......お疲れ様」
迅「ありがとな」
俺は風刃をよく知らない
古株メンバーだったら
他の言葉をかけてやれたのだろうか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!